2019 Fiscal Year Annual Research Report
交通渋滞の縮約表現に着目した大規模ネットワークの動的階層化による制御手法の研究
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18J12493
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐津川 功季 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 交通工学 / 交通ネットワーク / 動的均衡配分 / 安定性解析 / ゲーム理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,時空間的に変動する道路ネットワーク上の交通渋滞に対して,空間的な渋滞パターンの縮約手法に基づく交通制御法を構築することである.本年度では,前年度の研究成果をより一般的なネットワークへと拡張するために,基盤理論である交通量配分理論の基礎分析に従事した.これにあたり,配分理論の分野で極めて顕著な業績を挙げているリーズ大学(イギリス)のDavid Watling教授のもとに滞在し協力を得た. まず,交通流の予測・制御において重要な特性である均衡状態の一意性について解析した.具体的には,各車両が粒子体である場合,流体モデルでは均衡状態が一意に定まるネットワークでも,複数の均衡状態が存在することを明らかにした.その上で,各車両が動的計画法により生成された最短経路を利用している均衡状態が安定することを明らかにした. 次に,一般的な多起点多終点ネットワークにおいて,総旅行時間を最小化する渋滞パターンである動的システム最適配分状態を解析するためのゲーム理論に基づく方法を構築した.ここでは,各車両が粒子体であることを想定した上で,均衡状態を最適状態と一致するように各車両の効用を設定した.次にこの戦略型ゲームがポテンシャル・ゲームであることを示し,蓄積された知見を活用することで,各車両が効用を改善するように経路を変更する交通流のday-to-day dynamicsが(局所的な)最適状態へと収束することを理論的に証明した.また利用者が確率的に経路を変更するlogit response dynamicsの確率的安定性が大域的安定性と一致することを示した. また,より一般的な状態を考えるために,自身の旅行時間を改善する車両が混在した状況も考え,同様の理論解析を行い,前年度で解析したunidirectionalの構造を持つネットワークでは同様の数理的特性が成立することを確認した.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)