2018 Fiscal Year Annual Research Report
中性子対移行反応で探る原子核の BCS-BEC クロスオーバー
Project/Area Number |
18J12542
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 徳隆 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | 不安定核 / 中性子過剰核 / 対相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、中性子過剰な不安定核に対してスピン 0 に組んだ中性子のペアを付加する核反応(中性子対移行反応)を系統的に測定することで、従来まで実験的研究が進んでこなかった不安定核における対相関の様相をより明らかにすることを目的としている。実験は強力な不安定核ビームが利用可能なカナダ TRIUMF にて行うことを計画しており、実験プロポーザルはすでに承認済みである。中性子対移行反応の測定にあたっては、チタン箔にトリチウムを吸着させた標的を使用する予定であるが、この標的が実際の物理実験に利用可能なものであるかどうか定かでないという状況であった。この点を明らかにするために、チタン箔へのトリチウムの吸着量と軽水素によるコンタミネーションの度合いを、過去に TRIUMF において取得したテスト実験のデータを解析することにより評価した。その結果、このトリチウム標的が物理実験に利用可能であることが確かめられ、また同時にデータ解析手法を確立することができた。さらに、モンテカルロシミュレーションによる実験セットアップの検討を進め測定の準備を整えた。しかしながら、2018 年度はビームタイムが割り当てられず、当初の計画より遅れが生じた。これに伴い特別研究員奨励費を繰り越し申請し、その間に実験セットアップのさらなる最適化を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
測定を行う上で鍵となる要素であるトリチウム標的の評価を完了し成果発表を行った。実験遂行のための準備は着実に進んでいるが、ビームタイムの割り当てが延期されることになった。これを受けて研究の方針を転換し、中性子過剰核 32Mg の周辺核における核構造研究に取り組むことにした。詳細は 2019 年度の研究実績概要にて述べる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ビームタイム割り当ての都合上、当初想定していた実験の遂行には遅れが生じている。実験の日程が確定するまでに実験セットアップのさらなる最適化を完了する。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Journal Article] Study of 19F Levels with Ex = 6.7 - 7.7 MeV by the 15N+α Scattering Experiment2018
Author(s)
D. Kim, G. W. Kim, S. Y. Park, A. Kim, K. I. Hahn, K. Abe, O. Beliuskina, S. Hayakawa, N. Imai, N. Kitamura, Y. Sakaguchi, H. Yamaguchi, S. M. Cha, K. Y. Chae, M. S. Kwag, S. W. Hong, E. J. Lee, J. H. Lee, E. K. Lee, J. Y. Moon, S. H. Bae, S. H. Choi, S. Kubono, V. Panin, Y. Wakabayashi, N. Iwasa, D. Kahl, A. A. Chen
-
Journal Title
Journal of the Korean Physical Society
Volume: 73
Pages: 265-270
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-