2018 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子CREB活性のin vivo動態可視化による、長期記憶形成の機序解明
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18J12617
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 達士 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / CREB |
Outline of Annual Research Achievements |
長期記憶獲得の機序において、細胞内シグナルの活性化が重要であることが知られている。神経活動によってCa2+下流の細胞内シグナルが活性化され、転写因子CREBがリン酸化されることで、神経活動依存的に遺伝子を発現した細胞に、記憶の痕跡が残ることが示唆されている。よって、行動中のマウス生体内において、神経活動と細胞内シグナル活性化を同時にマッピングすることにより、それぞれの動態と相互作用を可視化する技術は、記憶形成メカニズムを理解する上で非常に有用であると考えられる。近年のカルシウムプローブの改良により、数百から数千個の神経細胞の活動を一度に可視化できるようになってきている。しかし一方で、カルシウムシグナルと同時に可視化可能な、マウス脳において単一細胞レベルで細胞内シグナルを検出できるプローブはほとんどない。よって本研究では、CREBに着目し、その蛍光プローブの開発と特徴づけを目指している。 本年度は、(1)CREBリン酸化プローブの構築と検定を行った。コンストラクトをデザインし、最適化のためのスクリーニングを実施し、蛍光シグナル変化が最良であったものをXCREB-Gと名付けた。(2)XCREB-Gをタンパク精製し、蛍光プレートリーダーを用いてin vitroの特徴づけを行った。その結果、XCREB-Gの蛍光変化が、CREBp133セリンのリン酸化に依存していることを確認した。(3)XCREB-Gを培養神経細胞に発現させ、蛍光イメージングを行いながら、CREBをリン酸化することが知られる刺激を与えることで特徴づけを行った。今後、これらの結果にもとづき、生きたマウス脳におけるCREBリン酸化動態の可視化を実現するXCREB-Gベクターを樹立し、二光子励起顕微鏡観察を実現するための条件検討を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、XCREB-Gの特徴づけに成功し、更にin vivo imagingに向けた条件検討が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き当初計画に沿って、次年度の目標達成を目指していく。
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