2018 Fiscal Year Annual Research Report
時系列光学衛星データに合成開口レーダを組み合わせた熱帯林のモニタリング手法の開発
Project/Area Number |
18J12647
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
志水 克人 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | 衛星画像 / 熱帯林 / 時系列 / 合成開口レーダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、時系列光学衛星データと合成開口レーダを組み合わせたミャンマー熱帯林における森林変化推定に取り組んでいる。当該年度は、①時系列光学衛星データから抽出した時空間的指標を用いた、森林撹乱とその要因推定の検討、②時系列光学衛星データと合成開口レーダを組み合わせた森林撹乱推定手法の検討を行った。 ①に関して、光学衛星データとして2000-2018年に取得された毎年のLandsat画像を利用し、対象地であるミャンマー熱帯林における森林撹乱とその直接的要因(伐採や都市化など)を推定した。説明変数として時間的・空間的指標を検討し、それぞれを森林撹乱推定モデルに加えることで、精度への影響を明らかにした。結果、時間的・空間的指標をすべて加えた場合の森林撹乱推定精度は、それぞれの指標のみの場合よりも精度は向上した。続いて、時系列Landsat画像を用いて対象地における森林撹乱の直接的要因のマッピングを行い、特に焼畑耕作による森林撹乱に着目して、その時空間的な動態に与える要因(村からの距離や前後の植生状況など)をロジスティック回帰分析で明らかにした。 ②に関して、それぞれLandsat画像とSentinel-1画像を利用し、森林撹乱推定手法の検討を行った。利用できるすべてのLandsat画像とSentinel-1画像に対して、植生変化モデルを適用した上で撹乱推定に用いる指標を抽出した。指標抽出には、①での研究成果を元に有効な指標を選択し、それぞれの衛星データの観測時点での森林撹乱推定モデルを作成した。推定した森林撹乱の確率を融合利用する手法を検討し、時系列的な森林撹乱の推定精度を評価した。結果、森林撹乱の推定では、両者を融合して利用した場合に精度が高くなり、撹乱の検知に要する期間も短くなった。これらから、2つの衛星データの融合利用は、森林撹乱推定を行う上で有用であることを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、光学衛星データとしてLandsat画像を利用した時系列解析に取り組み、森林変化推定モデルに利用する時間・空間的指標を検討することで、約20年にわたる過去の森林撹乱およびその要因を高精度に推定した。また、合成開口レーダとしてSentinel-1画像を利用し、時系列Landsat画像との融合利用する手法を検討した。これらを用いて、次年度以降に両者の衛星データを利用した森林撹乱推定およびその要因推定を行うことができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
時系列Landsat画像とSentinel-1画像を用いた森林撹乱推定を行い、地域の森林変化およびその要因を推定する手法を検討する。
|