2018 Fiscal Year Annual Research Report
運動の円滑性を用いたストレッチング効果指標の開発-肩関節疾患への応用-
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18J12658
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅原 潤 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 円滑性 / 筋シナジー / 肩関節 / ストレッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
肩関節は肩関節複合体と呼ばれ、関節周囲に存在する十数以上の筋によって制御されている。そのため、目的とした肩関節の運動を達成するためには、肩関節周囲に存在する複数筋が円滑に制御されなければならない。本課題は、肩関節運動の円滑性に着目したストレッチングの新たな効果指標を確立することを目的としている。 本年度は円滑性の指標の確立に取り組んだ。健常成人を対象に、自作した空間内において、対象者が多方向に肩関節を動かす14種類の運動を実施した際に、表面筋電図を用いて肩関節筋の筋活動を計測した。分解アルゴリズムを用いて、全運動の筋活動データ及び各運動の筋活動データからそれぞれ筋シナジーを抽出し、関連を検討した。また、各運動の筋活動データから算出した筋シナジーは少数の全運動の筋活動データより算出した筋シナジーの結合により構成されているという仮説に基づき、全運動の筋活動データより算出した筋シナジーの線形結合により併合したシナジーを作成した。併合したシナジーにより各運動の筋活動データから算出した筋シナジーが再現できるかを確かめるために、併合したシナジーと各運動の筋活動データから算出した筋シナジーの関連を検討した。その結果、全運動の筋活動データより、約6つの筋シナジーが抽出された。各運動の筋活動データより、約2つの筋シナジーが抽出された。また全対象者において、各運動より抽出された筋シナジーは全運動の筋活動データより算出した筋シナジーおよび併合したシナジーと概ね類似していた。 本研究結果は、表面筋電図の筋活動データより算出される筋シナジーが、肩関節の新たな円滑性の指標となることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者と対象とし、肩関節の円滑性の指標となる可能性がある筋シナジーの算出に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者を対象とした肩関節の円滑性の指標の算出が終了したため、この結果をもとに、ストレッチングにより筋シナジーがどのように変化するか検討する。さらに、肩関節疾患患者を対象とした研究を進める。
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