2018 Fiscal Year Annual Research Report
リバウンドジャンプを用いた「次世代型筋力・パワーアセスメント法」の開発と実践
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18J12703
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
図子 あまね 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | リバウンドジャンプ / 得点表 / システム改良 / 評価診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、リバウンドジャンプの跳躍高と接地時間から成るリバウンドジャンプ指数に、下肢3関節の筋群の働きを表す力学量を加えた新しい筋力・パワーの評価診断法を開発することを目的とした。まず、研究課題について、パフォーマンス変数と下肢関節力学量の得点表を作成した。陸上競技(短距離7名、跳躍15名、投擲10名、長距離14名)、球技(バスケットボール23名、バレーボール14名、サッカー80名、 ハンドボール15人名)、対人(剣道30名)、ラケットバット(野球14名、バトミントン16名、テニス23名)の合計12種目のスポーツ選手261名に対してリバウンドジャンプテストを実施し、パフォーマンス変数と下肢3関節の力学量を入手した。そのデータに、申請者が既に入手していた179名のデータに加えることで、440名のパフォーマンス変数と下肢関節力学量を用いて、得点表と基準値を作成した。次に、研究課題2について、申請者らの研究グループが開発したQuick Motion Analysis Systemを用いて、測定後に選手個人の測定値と評価診断結果を表記した「カルテ」がプリントアウトされ、紙媒体でフィードバックできるようにする新しいフィードバックシステムの開発を行った。これまでの研究で示してきた「下肢関節の機能的役割」や「接地時間と跳躍高によって分けたタイプ別の評価法」に関する知見や、研究課題1で明らかにした基準値と得点表を基に、新しいカルテに示す情報を厳選するとともに、結果の示し方を整理した。それらを改良案としてQuick Motion Analysis Systemの開発企業へ提示した。カルテの記載内容は、測定値(パフォーマンス変数と負・正の関節仕事、縦断データの変化が分かる表や、それを踏まえた診断結果として、今後のトレーニング課題の提示できるものとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題1について、パフォーマンス変数と下肢関節力学量の得点表を作成するために、12種目のスポーツ選手261名にリバウンドジャンプテストを実施し、既に入手していた179名のデータに加え、440名のパフォーマンス変数と下肢関節力学量を用いて、得点表と基準値を作成できた点について、順調に進展した。一方、研究課題2について、平成30年7月に、データ分析を行う過程で当初の予想に反し、リバウンドジャンプ能力と下肢3関節の力学的変数である関節仕事の絶対値だけでなく負、正の値で各関節の力発揮特性が異なることが判明した。このことにより、フィードバックシステムに追加することが不可欠となり、各関節の力発揮特性に係る評価項目を区別した設計を新たに加える必要性が生じたことから、システム改良期間を延長せざるを得なくなったため研究計画が1ヶ月遅延した。このことから、やや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題3について、研究課題2で企業と共同で改良した新システムを用いて、評価診断法の実践的介入を実施する。申請者が所属する陸上競技部の選手を対象に、トレーニングのコントロールテストとして本システムを導入することで縦断データを収集し、選手個人を評価診断することで、本評価システムを実践現場で運用する際の留意点や実施手順を明らかにする。加えて、実際のトレーニングサイクルの中で介入を実施するため、その中でしか得られない情報(実践知)を適時記録する。
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