2018 Fiscal Year Annual Research Report
縮環エーテル骨格を有する新規Na+/K+ ATPase阻害剤の開発
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18J12740
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 祐介 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 全合成 / 誘導体合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
筆者は以前(-)-aplysialleneがNa+/K+ ATPaseのα2サブタイプ選択的に阻害活性を示すことを世界で初めて発見した。また、(-)-aplysialleneはステロイド系化合物のouabainと構造が全く異なることからも新たなリード化合物になると考えられる。しかし、活性値は中程度であり、サブタイプ選択性が不十分であることが問題であった。本問題を解決するために(-)-aplysialleneの中央骨格と側鎖を変換した誘導体合成が必要である。そこでcis,cis体のfused-THF骨格又は異なる側鎖を有する誘導体の合成を検討した。 研究①:(-)-Aplysialleneの側鎖をアルキル鎖及び、含ヘテロアルキル鎖に変換した誘導体は、以前の(-)-aplysialleneの全合成研究で得られた中間体(A)を利用して合成しようと考えた。結果、Aのアルコール部位を脱離基に変換した後、グリニャール試薬などの様々な求核剤を用いて単純炭素鎖又は含ヘテロ炭素鎖へ変換しようと試みた。しかし、現在までに目的化合物は得られていない。 研究②:(-)-Aplysialleneのfused-THF骨格をtrans,trans体からcis,cis体へ変換した誘導体は、申請者の研究室で見出されたfused-THF骨格の立体選択的構築法を利用して合成しようと考えた。しかし、モデル実験に倣って合成を試みたが、反応系が複雑になり未だ目的物を得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標は完全には達成していないが70%ほどは達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究①:今後は求核剤だけでなく、カップリング反応を用いて単純炭素鎖又は含ヘテロ炭素鎖の構築を検討する予定である。 研究②:今後はハロゲン化剤、溶媒などを種々検討する予定である。
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