2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effectiveness of dynamic adaptive proton therapy with computed tomography image guidance
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18J12886
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
守屋 駿佑 筑波大学, 人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / アダプティブ / 画像照合 / スキャニング / レンジ調整 / Deformable image registration / モンテカルロ / GPGPU |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに開発した受動散乱体法によるシステムをスキャニング照射法に対応させるために下記の3つの改良を行った。 1つ目は、スキャニング照射法に対応させるために、スキャニング照射法による線量計算が可能な既存の計算エンジン(Simplified Monte Carlo)を実装した。その際、レンジシフタ厚やスキャン範囲の変更が可能となるように、入力パラメータの改良を行った。 2つ目は、治療時の腫瘍の輪郭変化に対応するためにDeformable image registration(DIR)という画像処理エンジンを用いて、体内の体型変化を考慮した腫瘍の非剛体変形を自動で計算した。これにより、計画時に作成した輪郭情報を参考に、治療時の輪郭を自動で描画した。DIRエンジンはこれまでの研究経験を生かし、フリーでダウンロードが可能なNiftyRegを利用した。また、上記の線量計算エンジンとDIRエンジンは、高速計算が可能なGeneral-purpose computing on graphics processing units(GPGPU)を利用可能とした。 3つ目は、日々の最適な線量分布を作成のために、これまでの研究で実装した最適化アルゴリズムを改良した。この最適化アルゴリズムは、まず、計画時と治療直前に撮影されたCT画像より、入射体表面から腫瘍までの距離差を求め、その後、レンジシフタの変化厚を求める。なお、レンジシフタ厚の最適化方法においては英文雑誌に投稿し、受理されている。本研究では、レンジ最適化に加えて、スキャン領域の修正も行う予定であり、最適なスキャン領域を決定するアルゴリズムを考案および開発中である。 上記開発が全て完了した後、システムが期待通りに動作するか、臨床データを利用して動作確認を行い、必要があればシステムの修正を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計算エンジンに関しては、既に実装が完了しており、スキャニング照射法による陽子線線量計算が可能であるため。 画像処理エンジンに関しても、既に利用可能であり、GPGPUに高速化にも対応しているため。 最適化アルゴリズムに関しては、レンジシフタ厚の最適化アルゴリズムについて論文化済みであり、その有用性についても国内外の学会で発表を行っており、スキャン領域の最適化についても研究を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.スキャン範囲の最適化アルゴリズの実装を完了させる。DIRエンジンにより得られた治療時の腫瘍の輪郭を利用して、計画時からの輪郭の変化率を求めることで最適なスキャン領域を決定するアルゴリズムも実装する。システムが期待通りに動作するか、臨床データを利用して動作確認を行い、必要があればシステムの修正を行う。 2.陽子線治療の対象となる様々な部位での本システム有用性を示すため、臨床データを利用した臨床試験を行う。すなわち、肝臓、前立腺、頭頸部症例においても、周囲の正常臓器の体積変化や呼吸運動、治療期間中の著しい体型変化が知られているため、そのような部位に関しても有用性を調査する。
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Research Products
(4 results)