2019 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン輸送体による胎児発育・分娩の統合調整機構の解明
Project/Area Number |
18J12895
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
稲垣 舞 慶應義塾大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | プロスタグランジン / トランスポーター / 胎盤 / 分娩 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロスタグランジン輸送体(PGT/SLCO2A1)欠損が胎盤性ラクトゲン産生に及ぼす影響について解析した結果、Slco2a1 (-/-)マウス胎盤の海綿状栄養膜細胞層では、野生型と比較して、胎盤性ラクトゲン濃度が有意に亢進していることが明らかとなった。げっ歯類において、胎盤性ラクトゲンは卵巣におけるプロゲステロン産生を誘導することが示唆されている。これより、一腹当たりのSlco2a1遺伝子欠損マウス胎児胎盤の割合が高くなる掛け合わせでは、胎盤性ラクトゲン濃度の亢進によって、プロゲステロン濃度が高く維持され、過期産となることが示唆された。次に、胎盤局所の細胞外PGE2濃度の亢進が胎盤性ラクトゲン産生に及ぼす影響について解析した結果、PGE2を含む培地で培養した海綿状栄養膜細胞層の移植片は、胎盤性ラクトゲン濃度が有意に亢進することが示された。さらに、PGE2取り込み抑制が観察された妊娠15.5 日目の母体にインドメタシンを投与し、胎盤におけるPGE2産生の低下が分娩を誘発するかを検討した。その結果、インドメタシンを投与した母体の妊娠期間は有意に短縮し、インドメタシン投与は胎盤性ラクトゲンの発現量を野生型と同程度まで低下させ、母体血中プロゲステロン濃度を有意に低下させることが明らかとなった。以上より、胎盤PGTを介した細胞外PGE2濃度低下機構は、海綿状栄養膜細胞層における胎盤性ラクトゲン産生を抑制することで、母体血中プロゲステロン濃度を低下させ、分娩誘発に関与することが示唆された。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)