2018 Fiscal Year Annual Research Report
人為起源酸化鉄エアロゾルの観測装置開発と放射影響評価
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18J13044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 淳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 気候変動 / 環境分析 / エアロゾル / 装置開発 / 観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
人為起源酸化鉄エアロゾルを測るためのレーザー誘起白熱装置(新LII装置)の開発と並行して、2019年度に予定していた人為起源酸化鉄エアロゾルの排出量評価も前倒しで行った。 新LII装置開発では、旧LII装置のレーザー共振器部分のみを改良する予定であったが、より検出効率を上げるために、光源や粒子導入部分も含めて装置全体を一新した。新LII装置では、鉄の光吸収効率が高い可視域レーザー光を使用し、さらに光強度密度が高くなるような光学設計を行い、ハードウェア・ソフトウェアを作成した。 排出量評価では、2016年春に沖縄県辺戸岬で行った地上集中観測のデータを用いた。従来用いられてきた旧LII装置の観測データの解析を行うことで、人為起源酸化鉄エアロゾルの動態を調べた。人為起源酸化鉄エアロゾルと代表的な汚染物質である一酸化炭素(CO)との量的関係(濃度相関)を調べ、その関係を用いることで、中国及び全球の人為起源鉄の排出量を推算することに成功した。なお、その推算値は先行研究で報告されてきたものよりも有意に大きい。また、COとの量的関係に加えて、本研究では人為起源酸化鉄エアロゾルの混合状態についても調査を行った。調査の結果、代表的な人為エアロゾルであるブラックカーボン(BC)の被覆が厚くなっているときは、人為起源酸化鉄エアロゾルも同様に被覆が厚くなっていることが分かった。これらの結果は採用者が筆頭著者として国際誌に論文投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画とは異なり新LII装置の開発については大幅な変更が伴ったが、装置のプロトタイプは殆ど完成している。また、2019年度に行う予定であった、人為起源酸化鉄エアロゾルの観測データ解析および排出量評価を本年度に行うことができた上に、国際誌への論文投稿や国際学会を通して成果発表をすることができた。以上の点で、本研究は順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した新LII装置の性能評価を行う。室内実験を通して、測定可能な粒子成分や粒径を調べ、成分判別や定量方法の確立を行う。性能評価後は、人為起源酸化鉄エアロゾルの観測データを取得し、実大気中における動態を評価する。装置自身やそれを用いた観測についての論文執筆や学会発表も積極的に行う予定である。
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