2018 Fiscal Year Annual Research Report
フレネル領域超音波ビームによる浮遊物体運動制御に関する研究
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18J13314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古本 拓朗 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 非接触3次元マニピュレーション / 空中超音波 / 空中インターフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,以下3項目の研究を行った. (1)空中超音波によるマクロなスケールの非接触物体位置制御:3次元計測センサでリアルタイムに物体の位置を観測し,その情報に基づいて空間中に配置された空中超音波フェイズドアレイデバイスを適切に制御することで,直径20cmの球体を1メートル以上の高さ・範囲で3次元的に複数個制御することに成功した.この位置制御範囲は,制御対象の外部から非接触で位置制御する手法としては最も大きい.位置制御範囲が人間スケールと同程度以上にまで広がったことにより,以下の(2), (3)で述べるような空中インターフェースとしての応用が可能となった.空中超音波フェイズドアレイデバイスは床面または天井のみに配置されており,当デバイスの配置面積を拡大することで要求に応じて物体の位置制御範囲を自由に拡大することができる. (2)空中映像提示システム:(1)の手法を用いて空中を移動する物体にプロジェクターで映像を投影することにより,空中の自由な位置に映像を提示するシステムを開発した.本システムは,特殊なデバイスを装着することなく3次元的に情報を提示することが可能なオーグテンテッド・リアリティ・システムとしての活用が期待できる. (3) 遭遇型接触感提示システム:(1)の手法を用いて,空中を移動する物体に人の手を接触させることによって,力覚を提示するシステムを開発した.応用例のひとつとして,ユーザーがバーチャルな物体と接触したことを知らせるために本システムを利用し,実際にユーザーが接触感を感じることを確かめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3次元位置制御に関しては,位置制御システムの開発・実証および応用システムの開発に成功したことに加え,当初予定されていなかった複数物体の同時位置制御にも成功し,想定以上の成果を出すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,物体の3次元位置と姿勢を同時に制御するアルゴリズムの開発・実験・評価を行う予定である.また,本技術を応用して開発された空中インターフェースシステム(空中映像提示システム・力覚提示システム)の評価を行う予定である.
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