2018 Fiscal Year Annual Research Report
初期地球熱水系におけるクロマイト由来の水素・炭化水素発生量の定量
Project/Area Number |
18J13973
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 修裕 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 無機的メタン合成 / クロムスピネル / 蛇紋岩熱水系 / 熱水 / 初期地球 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の蛇紋岩熱水環境において、高濃度H2やメタンを含んだ熱水が供給されている。CO2とH2からのメタン生成を促進する物質として金属触媒(FeやNi)や酸化鉱物(スピネル系)が候補として挙げられる。特に天然の蛇紋岩体に普遍的に存在する酸化鉱物はメタン生成触媒として注目されている。そこで本研究では、その中でも一般的に蛇紋岩中に見られるクロムスピネルを用いCO2を炭素源とした無機的なメタン合成量を定量するために、熱水変質実験を行った。 予備実験として行った実験では、天然のクロミタイトをそのまま使用した。クロミタイトにはクロムスピネル以外の鉱物が数%程度混入しているために、クロムスピネルによる効果のみを検証するために不適当である。そこで、比重の違いを利用して他の鉱物を排除し、クロムスピネルを濃集させた粉末を本実験に使用した。また、同位体比ラベリングをしたCO2を炭素源として使用し、有機物の熱分解由来の炭化水素生成との区別を可能にした。これにより、発生したメタンがCO2起源か、混入した有機物の分解起源かどうかを議論可能にした。 300℃、50MPaにおいて高CO2濃度・低H2濃度(実験1)、低CO2濃度・高H2濃度(実験2)という条件下で模擬海水とクロムスピネルを反応させる実験を行った。実験1ではメタンの生成が観測されず、実験2の方では確認された。生成したメタン分子の炭素同位体比は導入したCO2のそれとほぼ同等であった。そのため、CO2から無機的にメタンが生成したことが明らかになった。 以上より、クロムスピネルはCO2を炭素源としたメタン生成に寄与することを示した。このことは現在の蛇紋岩熱水系で供給される熱水の高濃度メタンの起源を説明できる可能性がある。さらに初期地球環境でも超塩基性岩中に多くのクロムスピネルが含まれているため、その当時でもメタンが熱水から供給されていた可能性を示唆する。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(5 results)