2019 Fiscal Year Annual Research Report
水素化物アニオン含有錯体骨格を用いた水素貯蔵材の創成
Project/Area Number |
18J14153
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
門田 健太郎 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 配位高分子 / ボロハイドライド / 水素貯蔵 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、水素化物イオンの一つであるボロハイドライド(BH4-)を構造中に内包する配位高分子の結晶構造を設計し、従来相反する高い水素放出反応性と加湿下安定性の両立を目指した。昇温に伴い水素ガスを放出する金属ボロハイドライドは有望な水素貯蔵材の一つである。一方、加湿条件では容易に分解するという課題であった。本研究では、配位高分子骨格中でBH4-の化学環境を設計し、上述の反応性と安定性の獲得を目指した。具体的には、水素放出反応を促進させるためにBH4-を密に隣接して配位する四面体配位をとる亜鉛イオン、大気安定性を実現するために疎水的なアルキル鎖を有する架橋配位子を採用した。この合成指針のもと、一次元鎖状構造を有する[Zn(BH4)2(dpp)] (1, dpp = dipyridylpropane)を合成した。1は相対湿度50%の加湿条件において、一週間以上安定に結晶構造を保持していることがわかった。これは、上述の疎水性アルキル鎖が水分子の接近と拡散を阻害していることに加え、dppの芳香族水素とBH4-が二水素結合を形成したことで、静電的にBH4-が安定化を受けていることよるものである。水素放出反応を検討するために、熱重量分析と昇温脱離法を実施した。1は180度で水素ガスのみを放出し、一般的な副生成物であるジボラン(B2H6)は放出されていないことが分かった。この従来の金属ボロハイドライドとは異なる水素放出反応は、B2H6がdpp配位子と結合を形成していることに起因すると固体11BNMR測定から明らかにした。上述の結果より、BH4-を配位高分子骨格中へ組み込むことで、従来のBH4-含有固体では実現が難しかった反応性制御を達成した。この結果は水素化物のみならず、他の高活性イオン種の制御と機能発現への有用な知見となるものと考える。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Partially fluorinated MIL-101(Cr): from a miniscule structure modification to a huge chemical environment transformation inspected by 129Xe NMR2019
Author(s)
Diaz-Ramirez, Mariana L. Sanchez-Gonzalez, Eli Alvarez, J. Raziel Gonzalez-Martinez, Gerardo A. Horike, Satoshi Kadota, Kentaro Sumida, Kenji Gonzalez-Zamora, Eduardo Springuel-Huet, Marie-Anne Gutierrez-Alejandre, Aida Jancik, Vojtech Furukawa, Shuhei Kitagawa, Susumu Ibarra, Ilich A. Lima, Enrique
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Journal Title
Journal of Materials Chemistry A
Volume: 7
Pages: 15101~15112
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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