2018 Fiscal Year Annual Research Report
Design of polyplex micelles loaded with messenger RNA using phenylboronic acid for inflammatory disease therapy
Project/Area Number |
18J14336
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉永 直人 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | mRNA / 合成高分子 / フェニルボロン酸 / 核酸医薬 / 核酸デリバリーシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリエチレングリコールとポリカチオンからなるブロック共重合体のポリカチオン側鎖にフェニルボロン酸を導入した合成高分子とメッセンジャーRNA(mRNA)から高分子ミセルを調製した。mRNA内包高分子ミセルを安定化するため、末端にポリオール分子をもち、mRNAに相補的なRNAオリゴマーをmRNAにハイブリダイズすることで、mRNAにポリオール分子を導入した。このmRNA上のポリオール分子とブロック共重合体上のフェニルボロン酸がエステル架橋を形成することで、高分子ミセルを安定化することに成功した。ブロック共重合体へのフェニルボロン酸導入率およびポリオール分子修飾RNAオリゴマー数を最適化することで高い安定性と細胞内ATP濃度特異的な応答性を達成した。また、共焦点顕微鏡観察を通じて、高分子ミセルの細胞内動態を確認したところ、本研究の高分子ミセルは優れたエンドソーム脱出能を有していることが確認された。さらに、安定化された本研究の高分子ミセルは培養細胞に対して有意に高いタンパク質発現効率を示し、経気道肺投与を通じたマウスに対するmRNA導入においても高いタンパク質発現効率を示した。 また、これまで数多くの研究において、架橋構造はブロック共重合体間に導入されていたが、mRNAとブロック共重合体間で架橋形成させた本研究の高分子ミセルは、従来法のブロック共重合体間架橋高分子ミセルよりも高い安定性を示すことが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採用前検討においては、当初の予想に反した結果が得られたため実験計画から若干の遅れが生じた。しかし、そこで得られた結果を分子設計にフィードバックし、再設計したことで、スムーズに機能評価・細胞実験・動物実験を行うことができ、当初の実験計画に沿って順調に進展している。そのため、おおむね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
変更点は無く、今年度の結果をもとに、マウスの体内でのmRNA内包ミセルのさらなる体内動態制御を行い、生体内において実際に核酸治療を行う。具体的には、ミエリン由来ペプチドを用いて中枢神経系の炎症疾患である多発性硬化症モデルマウスを作製し、抗炎症因子をコードしたmRNA内包高分子ミセルを投与し、脳、脊髄組織での炎症反応を観察するほか、歩行解析による運動機能評価を行う。
|
Research Products
(4 results)