2018 Fiscal Year Annual Research Report
iPS 細胞の初期化誘導過程における間葉上皮転換の誘導レベルの定義化と機能解析
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18J14431
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
香川 晴信 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 初期化過程における一過性遺伝子発現の機能解明 |
Outline of Annual Research Achievements |
iPS 細胞への初期化誘導因子の一つである KLF4 の発現が高い誘導法では、途中段階において一過性の間葉上皮転換(MET)が観察され、高効率な初期化が誘導される。しかし、これまでに一過性 MET 遺伝子の機能や高効率な初期化誘導の機構については解明されていなかった。本研究ではまず初めに、一過性 MET 遺伝子の誘導を制御する因子を探索するために一過性 MET 誘導の指標となる細胞表面マーカー Tacstd2 を用いて遺伝子ノックダウンスクリーニングを行った。この時、公開されている KLF4 のクロマチン免疫沈降シーケンスのデータをもとに一過性 MET 誘導の制御因子の候補を絞り込んだ。CRISPR/Cas9 システムを用いた遺伝子ノックダウンスクリーニングの結果、OVOL1 を抑制した時にだけ Tacstd2 の発現量が減少した。さらに、OVOL1 の発現抑制によって Tacstd2 以外の一過性 MET 遺伝子の発現も減少していたことから一過性 MET 誘導に重要な制御転写因子として OVOL1 を同定した。また、KLF4 の発現量が高い初期化誘導過程において OVOL1 を抑制した場合には初期化効率が減少した。これは OVOL1 の発現抑制によって初期化に失敗した細胞の増殖が亢進することが原因であった。これらの結果から KLF4 の発現量が高い初期化誘導方法では不完全な初期化細胞の増殖が OVOL1 によって抑制されることで結果的に高効率な初期化が誘導されることが明らかになった。以上の研究は iPS 細胞への初期化過程における新規細胞表面マーカー Tacstd2 を同定すると共に、iPS 細胞の初期化過程における一過性遺伝子発現の変化が初期化効率に与える影響を明らかにした。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(7 results)