2018 Fiscal Year Annual Research Report
新規疾患モデル作製に向けたボトムアップ老化血管構築法の確立
Project/Area Number |
18J14488
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
薄葉 亮 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | Organ on a chip / In vitroモデル / 血管生物学 / 血管内皮機能 / EGFL7 / 血管内皮カドヘリン / ヒト組織モデル / 組織工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、三次元微小血管構造を利用して、老化血管モデルにつながる培養系の構築、特定遺伝子の血管内皮機能へ与える効果を評価可能なモデルとしての概念実証を目的とした。微小血管モデル構築のために、マイクロ加工技術と細胞培養技術を組み合わせて組織工学的に微小血管構造を作製した。微小血管は、ヒト血管内皮細胞の単層から成り、コラーゲンゲル内に位置している。本研究では、性質を変化させた血管内皮細胞を用いて微小血管構造を作製し、目的の疾患モデル血管となるよう検証した。また、本三次元微小血管モデルは、共培養の自由度が高いことから、コラーゲンゲル内に線維芽細胞を共培養することに成功した。病的な血管に特徴的な分子として、血管内皮細胞に発現し、血管炎症や血管新生に関与すると報告されているEpidermal Growth Factor-Like domain 7 (EGFL7)に着目して、開発した微小血管モデルにてその機能を評価した。血管内皮成長因子により血管新生を誘導すると、 EGFL7発現抑制群においては血管新生が抑制された。さらに、EGFL7発現抑制群では、血管透過性が亢進し、免疫細胞の接着数が増加することを観察した。そこで、血管内皮の接着結合や機能に関わる血管内皮カドヘリン(VEカドヘリン)を調べると、EGFL7発現抑制群ではVEカドヘリンの発現パターンの乱れおよびリン酸化阻害が確認された。これらの結果より、EGFL7の発現抑制により血管内皮の恒常性が乱れることを見出し、EGFL7が接着分子の機能発現に重要なチロシン残基のリン酸化に関与することを明らかにした。今回の研究で開発したモデルおよび発見した知見は原著論文にて発表し、日経産業新聞にて紹介された。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)