2019 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症における認知機能障害への歯状回苔状細胞の関与
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18J14574
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 彩子 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 海馬 / 歯状回 / 苔状細胞 / sharp wave / in vivoパッチクランプ記録 / in vitro多重パッチクランプ記録 / 情報動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
自身の研究成果より、海馬急性スライス標本において苔状細胞の神経活動がsharp wave(以下、SW)の活動を反映することを示し、苔状細胞が統合失調症による神経伝達異常のメカニズムに寄与すると仮説を立てて研究を進めてきた。前年度には、スライス標本における結果を裏付けるため、マウスの海馬からSWを記録し、同時に苔状細胞からのin vivoパッチクランプ記録法を確立した。In vivoパッチクランプ記録により得られる波形はスライス標本における記録とは異なり、様々な領域からの入力が複雑に混ざるため、SW発生時における正味のシナプス入力を測定することは容易ではなかった。そこで本研究では、畳み込みニューラルネットワークを用いてin vivoの膜電位波形を学習させたモデルから、SW発生時の膜電位変化の定量を行うことで従来の課題を解決した。その結果、生体動物においてもSWの活動が苔状細胞の神経活動に反映されることを示した。さらに本研究では海馬から苔状細胞へのSWの閾値下における情報動態を明らかにしたいと考え、スライス標本において、海馬からSWの記録と同時に、最大5つの苔状細胞からの多重パッチクランプ記録の同時記録法を確立した。その結果、周波数成分の強さの分布を指標にして分類したSWと、SWに伴って生じる苔状細胞の膜電位変化の組合せは対応付けできることが明らかになった。すなわち、SWの情報から苔状細胞の膜電位変化の組合せを予測することが可能であることを示した。加えて、5つの苔状細胞から同時に膜電位を記録した結果、同時に記録する細胞数が増えるほど、予測の精度が向上することを示した。以上の結果から、苔状細胞がSWの活動を集団単位で符号化することを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)