2018 Fiscal Year Annual Research Report
Realization of the large-scale-compressive-holographic display
Project/Area Number |
18J14590
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
五十嵐 俊亮 東京工業大学, 工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | ホログラフィ / 計算機合成ホログラム / 3次元ディスプレイ / アルゴリズム / 回折計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホログラフィに基づく3Dディスプレイは光を波面として再生することで、幅広い奥行きや実物と見紛う質感の提示が可能な唯一の立体映像表示方式である。光波再生のための回折光学素子(ホログラム)の構造を計算により求める技術は計算機合成ホログラム(CGH: Computer Generated Hologram)と呼ばれ、次世代の立体映像表示の実用化に重要な役割を果たす技術の一つである。その一方でCGH表示デバイスの性能限界や、膨大な計算量など解決すべき課題も多い. 本研究はCGHによる大規模空間・高リアリティ3D映像表示技術の確立を目標とする。現在解決されていない大きな二つの課題として、単一の大規模・高品質なホログラムを計算する手法の確立とそのようなホログラムの動画としての表示が挙げられる。 前者へのアプローチとして本研究では物体の3次元情報であるライトフィールドを正射影画像群(平行な光線の集合)としてサンプリングし、正射影画像を波面に変換することで、光波伝搬を計算する手法を提案している。物体光波を3DCGなどによりサンプリングしたリアリティの高い光線から計算することで、立体像に高い質感を与える。これにより従来不可能であった超高解像度CGHの計算が実時間内に可能になり、ホログラフィという技術のポテンシャルを最大限に生かす質感表現・深い奥行きでの高い分解能・大規模3次元空間再生を高速計算法で同時実現する。 また後者の課題の解決法として、立体映像の基底波面を埋め込んだ静的なホログラムと係数を表示する動的なホログラムの組み合わせにより、所望の立体映像を基底波面の線形結合として表現する手法を提案している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は大規模ホログラムの分割計算と、基底多重型ホログラムのシミュレーションによる原理実証に取り組んだ。前者に関しては、実物体・仮想物体共に1mスケールの立体像再生の光学実験まで行い、分解能や与える視覚効果など解決すべき課題は未だ多く残るものの一定の成果を挙げた。後者の課題に対してはシミュレーション段階であるが提案する手法の実証を行い、光学実験による原理実証への足掛かりを得た。これらの成果より、課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は主に光学実験による原理実証を目標とする。多層化されたホログラムの物理的な実装とその正確性が問題となるが、微細レーザー加工による回折光学素子の生成が可能となったためこれを用いて静的な規定波面再生ホログラムを作成することを予定している。原理実証実験を経て明らかになるであろう原理的な課題に取り組み、本手法の有用性を示す。
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