2019 Fiscal Year Annual Research Report
メダカを用いた小胞体ストレスに起因するアポトーシス分子機構の解析
Project/Area Number |
18J14647
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
JIN BYUNGSEOK 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス応答 / 小胞体ストレス起因性アポトーシス / アポトーシス可視化メダカ / meigo / IRE1阻害剤スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年に引き続きmeigo遺伝子破壊メダカで生じる持続的な小胞体ストレスに着目し、小胞体ストレス応答がどのようにアポトーシスの誘導に寄与するのか解析を行った。小胞体ストレス応答のPERK経路を欠損させたメダカ系統との解析を行った結果、より重篤な表現型と強いアポトーシスが誘導され、PERK経路には細胞の保護効果があることを示した。また、別の小胞体ストレス応答経路であるIRE1の遺伝子欠損メダカと掛け合わせ解析を行った。その結果、PERK経路解析の結果よりも非常に重篤な表現型とアポトーシスの増加が見られ、IRE1経路はPERK経路よりも細胞保護効果が大きいことが示唆された。これらの結果は、国内の学会で口頭、ポスター発表を行い、その評価とさらなる解析に繋がる意見の頂いた。 ならびに、メダカを用いて小胞体ストレス応答機構を標的とした抗がん剤スクリーニングにも着目し研究を行った。高い小胞体ストレスが誘導されるがん細胞において小胞体ストレス応答を阻害することにより細胞死の誘導に繋がることを狙った。小胞体ストレス応答の中で細胞保護機能が高いIRE1をターゲットとし、特異的に活性を抑制する阻害剤のスクリーニング系を立ち上げることを目標とした。解析の結果、試験管内アッセイならびに、小胞体ストレス応答機構のATF6遺伝子破壊メダカで生じる表現型を用いたIRE1阻害剤のスクリーニング系の確立に成功した。さらに、化合物ライブラリーからIRE1阻害剤の候補が得られ、実際にがん細胞における増殖の抑制効果を評価することができた。この実験系は脊椎動物であるメダカをモデル動物として用い、大規模の阻害剤効果をスクリーニングできる手法である。抗がん剤の開発においてマウスで抗がん剤効果を検証する前に行う、前段階の実験系として評価され、この研究成果は学術誌に発表された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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