2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Material Selection System for Trade-Off between Environmental Loads and Costs using Multi-Criteria Decision Making
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18J14789
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
木下 雄貴 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 素材決定支援 / 製品設計 / 多目的最適化 / リサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,多目的最適化手法の線形物理的計画法(Linear Physical Programming; LPP)を習得し,素材決定支援システムのプロトタイプ開発を行った.さらに,低環境負荷の素材選択のためには,素材リサイクルまでを考慮する必要があるため,環境性と経済性の多目的分解生産システム設計を行った.
①多目的最適化手法の線形物理的計画法(LPP)の習得 日本学術振興会 若手研究者海外挑戦プログラムの支援により,LPP開発者のNortheastern Univ. Prof. Guptaに受入れて頂き,昨年度3月から3カ月間にわたり米国・ボストンで滞在研究を行った.LPPにより,目的関数間の重みづけを要することなく,多目的問題の満足解を得ることが可能になった.さらに,国内での同手法普及のために,LPPの紹介と多目的問題への適用例を日本語で著した. ②線形物理的計画法(LPP)の素材選択への適用による環境負荷とコスト評価 習得したLPPを素材決定支援法に適用し,素材決定支援システムのプロトタイプ開発を行った.これにより,各目的関数における嗜好を複数の範囲として入力するだけで,満足化した素材を製品設計者に提示することが可能になった.3D-CADモデルを製品例に用いた数値実験では,一部の素材変更で環境負荷とコストを同時に削減できるケースを発見した. ③環境負荷とコストの多目的分解生産システム設計法の提案 低環境負荷の素材選択のためには,素材リサイクルまで考慮する必要がある.そのため,環境負荷とコストの多目的分解生産システム設計を行った.はじめに,使用済み製品に対して,分解してリサイクルする部品と廃棄する部品を決定する分解部品選択における素材回収量の分析をした.次に,リユース部品やリサイクル素材の需要に応じた所要量を決定する受注分解生産システムの分解生産計画をモデル化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画のLPPによる素材の環境負荷とコストの同時評価,素材決定支援システムのプロトタイプ開発に加え,多目的分解生産システムのモデル化を行うことができたため.
具体的な成果は,素材決定支援システムのプロトタイプ開発については,米国国内会議2件および招待シンポジウム4th Symposium on Computational Reliability Engineering in Product Development and Manufacturing(ポーランド)にて研究発表を行った.また,リサイクル率やCO2回収量とコスト評価による分解部品選択法については,洋書Book Chapter 1件と雑誌論文1件を著した.さらに,受注分解生産システムにおける多目的分解生産計画法については,国際会議2件16th Global Conference on Sustainable Manufacturing (米国)と,16th International Logistics and Supply Chain Congress 2018(トルコ)にて研究発表を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
製品設計で決定される素材が組立・分解生産システムに与える影響を明らかにするために,課題① 組立と分解の環境負荷とコスト評価による素材決定支援法の提案と,課題② 受注分解生産システムにおける素材種類を考慮した生産計画の立案を行う.
課題① 素材決定支援法のプロトタイプの実用化へ向け,システム利用マニュアルの作成と提案法の妥当性検証を行う.妥当性検証のために,製品設計の研究者にレビューをして頂き,改善点を洗い出し反映させる.
課題② 製品設計において低環境負荷の素材(リサイクル可能な素材や素材製造時のCO2排出量の低い素材)を選択しても,使用済み製品が分解されずに廃棄されてしまうと本来再生可能な天然資源の消費とCO2排出が生じてしまう.そのため,リユース部品やリサイクル素材の需要に応じた所要量を決定する受注分解生産システムにおいて,素材種類を考慮した生産計画の立案を行う.
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Research Products
(9 results)