2018 Fiscal Year Annual Research Report
外部刺激の影響を考慮した機械学習による植物概日時計のリアルタイム計測手法の構築
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18J14808
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
長野 将吾 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 植物工場 / 機械学習 / オプティカルフロー / 体内時計 / フェノタイピング / 時系列解析 / 成長予測 / レタス |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の成果として,「植物工場における植物概日時計の新規計測手法の提案」「機械学習を用いた植物工場野菜の成長予測モデルの構築」が挙げられる. まず,日産5000株の量産モデルである大阪府立大学植物工場にて播種後6日目から15日目までにレタス画像を20分毎に時系列で取得した.本実験と解析には300以上のレタス個体,約18000枚の画像を用いた.取得した時系列画像に対して隣接する画像間の物体の移動をベクトルで表すオプティカルフローを用いてレタスの成長方向成分を取得し,取得した時系列データでは約24時間周期のリズムが観測することができた.これにより,産業用植物工場にて簡易的に設置可能なレタス上部からの画像解析技術のみによってレタスの概日リズム由来の特徴量を取得することができた. 次に,レタス画像から取得した特徴量を用いて播種後38日目のレタス生重量の予測を試みた.さきほど取得したレタスの成長方向由来の特徴量に加えて,レタスの投影面積,光環境,レタス間の位置関係等の特徴量を加えた上で次元削減を行い115の特徴量を用い,機械学習による生重量の予測を行なった.予測モデルを構築した結果,高い精度で生重量を予測できることを明らかにした.これは,播種後15日目までに取得可能な情報で収穫時に大きな予測が可能であることを示唆しており,植物工場の利益向上に貢献できると考えている.更に,レタスの成長方向成分由来の特徴量が成長の予測に大きく貢献していることを示し,本研究において提案した概日リズムの新規計測手法の有用性を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度において,「植物工場における植物概日時計の計測手法の提案」「機械学習を用いた植物工場野菜の成長予測モデルの構築」を達成しており,これらの結果は当初計画していたもの以上に進展しているといえるため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,「オプティカルフロー由来のレタスの集団における同期現象の観測」及び「実験結果の数理モデルを用いた検証」を考えている.今年度提案したレタスの成長方向の特徴量は,機械学習予測への貢献だけに留まらず,レタスの群落形成を同期現象として評価できる重要な指標であると考えている.次年度は,植物工場レタスの群落形成に対して実験,数理モデルの2つのアプローチから研究を推進し,植物工場における成長予測に貢献している本解析手法により取得した情報の理解につなげたいと考えている.実産業スケールの植物工場の群落形成の同期現象について,実験,数理モデルの両視点からアプローチした報告例はなく,定量化することができれば新たな知見として報告できると考えている.
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Research Products
(1 results)