2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ultra-trace radiocarbon analytical method for biomedical and environmental applications
Project/Area Number |
18J14881
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺林 稜平 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2) (10870272)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | 放射性炭素 / レーザー吸収分光 / 中赤外 / 植物RIトレーサー応用 / 光共振器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高反射率光共振器と中赤外レーザーの高効率カップリングにより、天然同位体比レベルに迫るアバンダンス感度と高いスループットを同時に有する、より簡便なレーザー吸収分光に基づくC-14分析法を開発し、実試料分析の実証を行うことで生体・環境トレーサーにおけるC-14定量分析への有用性を明らかにすることを目的とする。採用第2年度は前年度の結果を受けて植物生理学にける炭素動態評価に本手法を適用する基礎実験を行った。 植物生理学にける炭素動態評価への適用実証として、特に、植物生理学におけるイネなどの作物の乾燥ストレス応答に関する研究に注目した。乾燥ストレス下で栽培された作物は、通常の環境で栽培された作物と比較して、根の成長に大きな差異があることが分かっており、光合成産物の動態に差異が生じることが示唆されている。本研究では、生命農学分野の研究者の協力を得て、C-14を含む二酸化炭素ガスを充満させたチャンバー内に乾燥ストレス有/無で栽培したイネ試料を導入し、光合成により葉から吸収させることでC-14標識を行った。標識後一定時間経過ごとに生体活動を停止させ、地上部と茎葉部に分割して測定試料とし、本研究により開発したC-14分析法によりC-14定量を行うことで、乾燥ストレス下での炭素動態の差異を評価した。光合成により葉から吸収されたC-14が、光合成産物として茎葉部から根へと送られたことを示唆する結果を得ることができ、乾燥ストレス有無でそのトレンドに顕著な差を確認することができた。本結果については、再現性・妥当性を検証したうえで、植物生理学的な視点から詳細な解釈を進める必要があるものの、本システムを用いて、光合成産物の動態を評価することができ、植物中炭素動態評価を実証できた。これより、本研究によって開発されたC-14分析法の生体・環境トレーサーにおける有用性を明らかにすることができた。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)
-
[Presentation] 中赤外キャビティリングダウン分光に基づく14C分析システムの高感度化に関する研究2020
Author(s)
寺林 稜平, 齊藤 圭亮, Sonnenschein Volker, 奥山 雄貴, 富田 英生, 仲田(狩野) 麻奈, 山中 真仁, 西澤 典彦, 吉田 賢二, 二宮 真一, 川嶋 悠太, 真野 和音, 池原 辰弥, 古宮 哲夫, 神谷 直浩, 井口 哲夫
Organizer
第67回応用物理学会春季学術講演会
-
-
-
[Presentation] 高感度中赤外レーザー分光に基づく放射性炭素分析法の開発とトレーサー応用への適用検討2019
Author(s)
寺林稜平, Volker Sonnenschein, 富田英生, 齊藤圭亮, 奥山雄貴, 井口哲夫, 山中真仁, 西澤典彦, 仲田(狩野)麻奈, 吉田賢二, 二宮真一, 山本誠一, 古川高子
Organizer
次世代放射線シンポジウム2019
-
[Presentation] Development of radiocarbon analysis system with mid-infrared cavity ring-down spectroscopy for biological and environmental tracer applications2019
Author(s)
Ryohei Terabayashi, Volker Sonnenschein, Hideki Tomita, Keisuke Saito, Shusuke Kato, Shin Takeda, Masahito Yamanaka, Norihiko Nishizawa, Mana Kano-Nakata, Kenji Yoshida, Naohiro Kamiya, Seiichi Yamamoto, Takako Furukawa, Tetsuo Iguchi
Organizer
International Conference Merger of the Poznan Meeting on Lasers and Trapping Devices in Atomic Nuclei Research and the International Conference on Laser Probing (PLATAN2019)
Int'l Joint Research
-