2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J15153
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
佐藤 悠樹 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Keywords | 有機リン化合物 / 配位子 / 遷移金属触媒 / 付加反応 / 光反応 / 一選択制 |
Outline of Annual Research Achievements |
医薬品および機能性材料の合成の鍵となる遷移金属触媒反応では、リン配位子の精密設計を可能にする自在合成法の開発が強く求められている。しかし、有機リン化合物の合成では危険なアルカリ金属、または有毒で取扱いの難しいハロゲン化リンが用いられており、多様な構造を達成するにはきわめて制限が多いのが現状である。その解決策として、これまで種々の単座/二座リン配位子の合成法の開発に成功している。本研究では、リン原子-リン原子単結合を有する化合物のアルケンへの付加反応による、非対称有機リン二座配位子の一段階合成を目指した。非対称有機リン二座配位子は機能性材料の合成等において対称な配位子を上回る触媒活性を示すことが知られているが、合成の難しさから利用例が少なく、その詳細な機能は未解明である。本研究では、多様な非対称有機リン二座配位子の直截的な合成法を開発し、その触媒活性の調査、詳細な反応機構の解明を行った。本年度は、種々の対称および非対称有機リン二座配位子の合成に成功した。種々の末端アルケンまたは環状アルケンに対して、P(S)-P単結合を有する種々のジホスフィンモノスルフィドが選択的に付加することを見出した。本反応は塩基、触媒、または添加物を必要とせず、可視光下でも進行し、種々の対称および非対称リン二座配位子が良好な収率で得られた。また、反応機構解析の結果、ジホスフィンモノスルフィドのリン-硫黄 (P(S))部位が、本来意図していた反応位置の制御のみでなく、光吸収およびラジカル連鎖反応の効率化に大きく寄与し、反応を促進することが判明した。さらに、対称な有機リン二座配位子の簡便な合成法として、空気安定なP(S)-P(S)単結合を有するジホスフィンジスルフィドの種々のアルケンまたはアルキンに対する付加反応を開発した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Remarks |
第45回有機典型元素化学討論会において、上記の内容で優秀ポスター賞を受賞した。
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Research Products
(3 results)