2018 Fiscal Year Annual Research Report
地域間競争と動的渋滞メカニズムを考慮した混雑課金設定に関する理論研究
Project/Area Number |
18J15178
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
壇辻 貴生 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | MFD / 3D-MFD / 都市交通システム / シミュレーションベース最適化 / 道路空間再配分 / 混雑課金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の当初の計画では,社会的合意を得やすい自動車の混雑課金方式を地域間での政治的・経済的な対立関係を含めた競争的状況に着目し,理論的に検討するための数理モデルを構築することを目的としていた.しかし,論文のレビューや学会発表を通じて,社会的合意を得やすい施策にはモーダルシフトの受け皿となる公共交通との関連性がより需要な要素であるという考えに至った.そこで,本研究では公共交通と自動車交通の関連性を踏まえた交通需要マネジメント手法の検討を行うことを目的とした. まず,都市部の複数な交通手段が存在する状況下での渋滞メカニズムを分析するモデルとして,バスと自動車が存在する交通システムを仮定し,3D-MFDと呼ばれる集計的な交通状態関係によって交通流ダイナミクスの観点でそれらが相互作用するモデリングを行い,交通手段・出発時刻同時選択モデルを構築した.そのモデルの利用者均衡状態を導出し,均衡条件として人々がバスを利用する条件や,渋滞パターンの性質などを定性的に明らかにした. 次に,3D-MFDに基づいた車・バスが混在する交通システムの交通需要マネジメント施策のシミュレーションベースでの最適化手法の提案を行った.交通需要マネジメント施策の中でも,特にバスレーンと混雑課金に着目し,同時最適化手法の検討を行った.提案した同時最適化手法は東京都市部をケーススタディに有用性を検証し,それぞれ単独で施策を実施する場合に比べ,効率性が向上するなどを明らかとした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画から内容を変更したが,数理分析とシミュレーション分析の双方の観点から分析は進んでおり,シミュレーション分析の研究に関しては,結果をまとめ,国際学術誌に投稿準備中であることからも順調に進展していると考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
構築した数理モデルに関しては,均衡条件の更なる分析や社会最適の状態での交通マネジメント施策の影響など分析を進めていく. シミュレーション分析に関しては,一つのエリアのみを対象とした最適化から複数のエリアを対象とした最適化手法へと拡張を行っていく予定である.
|
Research Products
(3 results)