2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of Mycoplasma pneumoniae type gliding mechanism using kinetic measurements
Project/Area Number |
18J15362
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
水谷 雅希 大阪市立大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
|
Keywords | 滑走運動 / 力測定 / マイコプラズマ肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト肺炎原因菌であるMycoplasma pneumoniaeは、宿主組織表面上にあるシアル酸オリゴ糖に結合し、表面上を滑走する。M. pneumoniaeの臨床分離株は、1型株と2型株に分類され、分離率の優位性が約10年周期で入れ替わることが知られている。これら二株は、接着タンパク質複合体を構成するP1アドヘジン等のアミノ酸配列に違いがあることが知られている。本研究では、1型株標準株のM129株と2型株標準株のFH株について、菌体の特徴や接着活性・滑走運動を解析した。 菌体の成育速度をフェノールレッドを指示薬とした培養液の色の変化で解析したところ、M129株とFH株の増殖速度はほとんど同じであった。菌体の形とサイズをネガティブ染色電子顕微鏡法で解析したところ、どちらも似た形状であったが、M129株はFH株に比べ、15%程度長軸方向に長かった。次に、シアル酸オリゴ糖をコートしたガラス面への菌体の結合数を測定したところ、M129株はFH株より約7.5倍も多く結合しており、M129株がより強い接着能をもつことが示唆された。また、そのガラス面上での滑走速度は、M129株が約2倍も速かった。さらに光ピンセットを用いて菌体の推進力を計測したところ、M129株が約24.0 pNであり、FH株は約19.7 pNであった。これらの結果から、M129株はより活発な滑走運動能をもつことが示唆され、それは宿主免疫から逃れるために役立つと考えられる。また、FH株に代表される2型株は、より強固なバイオフィルムを形成することが既に知られており、これもまた宿主免疫システムから自身を守ることに役立つと考えられる。以上のことから、1型株と2型株は宿主内での異なる生存戦略を用いている可能性が提案され、それはM. pneumoniae感染症に対する“株特異的な”対応策を開発する手助けをすることが期待される。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|