2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J20214
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 修平 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | 非コードRNA / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
Lionheart KOマウスでは心臓でのMyh6の発現が低下することが分かっていたが、それにかかわる因子としてLionheartと結合するDNA-/RNA-binding proteinがを同定することに成功した。新生児マウスから単離した心筋細胞においてlenti virusを用いてLionheartを過剰発現させたところMyh6の発現の増加を認めた。新生児マウスを用いた心筋細胞のprimary cultureにおいてMyh6をpromoterとしたdual Luciferase assayを行ったところ、Lionheart過剰発現することでMyh6の活性が上昇することも分かった。Myh6のPNR elementにDNA-/RNA-binding proteinが結合することでMyh6の発現が低下することが既報であるが、PNR elementの配列をdeleteしたdual Luciferase assayではLionheartを過剰発現させてもMyh6の活性は上昇しなかったため、Myh6とLionheartの発現量の関係にはDNA-/RNA-binding proteinが関連しているという仮説を指示する結果が得られた。引き続きGel Shift assayなどの実験を追加する予定としている。 Lionheart KOマウスでは心臓サイズ・心筋サイズが小さくなることも表現型として挙げられる。こちらに関しても同定したDNA-/RNA-binding proteinが細胞周期を調整することでこのような表現型が出たものと考えている。western blottingや蛍光染色では仮説を支持するような細胞周期に関わる遺伝子の発現量の変化が認めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記記載の通り、本年度に解明したいRNA-binding proteinについて同定とその関係性について成果を上げることができた。 また、次年度に行う予定であるアデノ随伴ウイルスを用いた過剰発現モデルについてであるが、当研究室では今までにアデノ随伴ウイルスを用いた実験を行ってきていなかった。そのためウイルス作成のプロトコールを作る段階から研究をスタートさせる必要があったが、本年度においてウイルスの作成をすることに成功した。新生児マウスに対する腹腔内投与、成体マウスに対する尾静脈からの投与を試したが、いずれにおいても心臓においてLionheartを過剰発現させることができた。ウイルスのtiterを上げることなど精度をあげる必要はあるが、今後の実験の土台を作ることができ、期待通りの進展だったと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
アデノ随伴ウイルスを用いた過剰発現モデルについてLionheartの過剰発現に成功している。今後は過剰発現することによる心機能の改善やMyh6のrescueができるかを調べる予定である。またアデノ随伴ウイルスに関しては実験を行う上でtiterが重要となる。titerを上げるためには培養方法・培養温度を変更する必要があることが分かったため、今後は培養について改善を行う予定である。
|