2020 Fiscal Year Annual Research Report
副腎疾患病態解明に資する特異的ステロイド代謝イメージング法の開発
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18J20250
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹尾 映美 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 質量分析イメージング / 代謝 / 酵素 / 組織化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では当初,原発性アルドステロン症におけるアルドステロン産生酵素の変異・過剰発現に伴うステロイド代謝経路の異常を明らかにすべく,ステロイド代謝経路全体の各ステロイドをイメージング質量分析により定量的に可視化することを計画していた。しかしながら,検討段階において定量を行うことが難しいと判断したため,代謝の流れ自体の異常を明らかにすることができる方法の開発に予定を変更した。代謝の流れを可視化するため,代謝物そのものではなく代謝に関わる酵素が「どこで」「どのように」働くかを可視化することを考えた。これを達成するため,質量分析イメージングを用いた酵素活性の可視化,すなわち酵素組織化学手法の開発に着手した。 令和2年度は,まず,令和1年度に引き続きコリンエステラーゼ(ChE)活性の可視化を試みた。酵素組織化学では組織切片に基質を供給し,組織内酵素反応を経て生成物を何らかの方法で可視化を行うが,ChEではアセチルコリン・コリン共に組織内に大量に存在することが問題となった。そこで,重水素標識されたアセチルコリン-d9を供給し,さらに組織内でのイオン化効率の補正を行う補正式の導入を行い,従来の酵素組織化学では困難な半定量的なChE活性の可視化に成功した。手法をマウス脳やキイロショウジョウバエの組織切片に適用して得られた結果を投稿論文としてまとめ,8月にはAnalytical Chemistry誌に採択された。 また,開発した手法を拡張してステロイド産生酵素活性の可視化に近づくために,従来の呈色反応に基づく酵素組織化学では困難であった転移酵素の活性可視化にも取り組んだ。上記でアセチルコリン分解反応を達成していたため,逆反応すなわちアセチルコリンの合成を担うコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)を対象とした。本結果を含む投稿論文は現在論文投稿中である。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)