2020 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリア細胞へのマイクロインジェクション操作による長鎖DNA導入システムの構築
Project/Area Number |
18J20258
|
Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
高橋 沙和子 富山県立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | マイクロインジェクション / バクテリア / スフェロプラスト / プロトプラスト / 巨大化 / ゲノムDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、バクテリア細胞に様々な異種ゲノムDNAを導入し、どのようなゲノムDNAが宿主の生命活動に影響するのかを調べることを目的とした。そのための効率的な方法の確立に向けて、2018~2020年度にかけて、マイクロインジェクション可能なバクテリア細胞の作製方法の確立と巨大細胞へのマイクロインジェクションに取り組んだ。最終年度では、エンテロコッカス・フェカリスの巨大化プロトプラストに対し、グラム陽性細菌(Bacillus subtilis、Enterococcus faecalis、Lactobacillus curvatus、Lactococcus lactis)およびグラム陰性細菌(Deinococcus grandis、Erythrobacter litoralis、Escherichia coli、Lelliottia amnigena)の8種類のゲノムDNAをそれぞれ導入し、合計126細胞の巨大化への影響を調べた。その結果、巨大化に影響を与えたゲノムは、宿主細胞と進化系統の関係が影響しておらず、また、ゲノムDNAの導入による巨大化への影響は、巨大化が抑制される傾向であった。その要因として、大量の導入DNAが類似配列領域に交雑したためと考えられるが、これを確かめるためには導入ゲノムの細胞内動態を調べる必要がある。 本研究では、バクテリアのゲノムサイズの長鎖DNAを、短期間において100を超える巨大細胞に対して行い、低労力・短時間で導入することに成功した。また、巨大細胞の構築は、遺伝子操作ではなく、物理的に細胞を大きくする方法であるため、特定の宿主細胞ではなく、どのような宿主にも適応できる可能性を秘めている。その際に、培地中の金属塩組成が巨大化に影響することも既に明らかにしており、その影響は、進化的に近縁なバクテリア間で似ている可能性を示した。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)