2019 Fiscal Year Annual Research Report
アメバチ亜科寄生蜂の熱帯地域における夜間適応と種多様性の系統進化学的解明
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18J20333
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
清水 壮 神戸大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ヒメバチ科 / アメバチ科 / 音響生態学 / 系統学 / 進化学 / 熱帯 / 分類学 / 系統進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年に引き続き遺伝子実験及び系統解析に関する技術の習得を進めた。その結果、昨年以上により実践的な手法や解析方法の取得ができた。そして、それらを用いることで、昨年より論文の用意を進めてきたホシアメバチ属Enicospilusの分子系統学や生物地理学、形態の進化、未記載種の記載などに関するモノグラフ相当の論文の投稿に至った。それに加え、アメバチ亜科に属する複数の分類群の論文の執筆が行えた。 鏡紋に関する生体を用いた音響実験を実施した。しかし、超音波照射に対する行動的反応を検出することは出来ず、想定していた結果を得ることは出来なかった。したがって、音響的側面以外からの鏡紋の機能の解明へのアプローチを再度検討する必要性が生じた。 日活動性に関する野外調査は、国際ワークショップや英国自然史博物館への滞在などの都合上、実施することができなかった。 また、スイスで開催されたヒメバチ科寄生蜂の進化生物学に関する国際ワークショップに参加し、世界各地から集結したヒメバチ科の分類学や系統学、進化学に関して世界の最先端で活躍する研究者と本研究課題に関連する意見交換や議論を行うことができた。 さらに、英国自然史博物館において半年間の調査を実施し、アメバチ亜科の分類・多様性・進化的研究を進めることができた他、英国自然史博物館のキュレーターであるGavin Broad博士と本研究に関連する鏡紋の機能・進化、アメバチ亜科の分類・体系・進化など、様々な議論を活発に行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、上記の通り、複数の論文執筆や国際ワークショップへの参加、国外調査、音響実験などを行えた。論文の執筆などに関しては順調に進んだが、突如開催された国際ワークショップへの参加や長期の国外調査により、予定していた野外調査が十分に実施できなかった。また、音響実験では想定していた結果を得ることは出来ず、新たなアプローチを検討する必要性が生じた。したがって、本研究の進捗は想定よりも遅れている。しかし、参加した国際ワークショップや国外調査において、本研究に関連する非常に重要な意見交換や議論を行うことができた。したがって、当該年度の本研究の進捗は総合的に判断し、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実施出来ていない日活動性の野外調査を行う。また、引き続き系統学的手法を用いた進化の解析を進める。さらに、鏡紋の機能、進化に関する新たなアプローチの探索を行う。分類学的研究、論文の執筆も継続的に行う。
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Research Products
(2 results)