2020 Fiscal Year Annual Research Report
原始惑星系円盤における多重リング構造と微惑星形成機構の統一的解明
Project/Area Number |
18J20360
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
冨永 遼佑 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 原始惑星系円盤 / 微惑星 / 惑星形成 / ダスト / 多重リング構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は惑星形成の現場である原始惑星系円盤の不安定性に注目し,近年の高解像度観測が示唆するダストの多重リング構造と惑星形成過程に重要な微惑星の形成過程の統一的解明を目指すものである. 本年度の研究では,ダスト成長が駆動する原始惑星系円盤の新しい不安定性(Coagulation instability, CI)を発見した.ダスト成長も含む局所線形解析で調べた結果,CIはダストの面密度がガスの0.1%程度まで下がった環境であっても成長でき,リング状にダストを集積することがわかった.ガス乱流に伴う質量拡散などの安定化を考慮してもガススケールハイト程度の波長ではやはりCIが成長でき,Kepler周期の数十倍程度でダストを集積することがわかった.本研究ではCIの数値シミュレーションも行い,ダストが中心星へ落下する前にCIが成長し,ダスト面密度が桁で上昇し得ることを示した. CIは前年度まで調べてきた「永年重力不安定性による微惑星形成機構」に重要な役割を果たす.というのも,従来の不安定性が発達するためには「数mmから数cm程度のダストの質量面密度がガスの数%程度以上」という条件が円盤内で満たされる必要がある.一方先行研究では,サイズ成長と中心星への落下の結果ダストが数mmまで成長した段階では面密度がガスの0.1%程度になってしまうことが指摘されていた.CIによるダスト集積はこの問題を解決する.これに基づき,初期のサイズ成長の後,CIによってダストをリング状に集積し(リング形成),その後の永年重力不安定性等によって微惑星形成に発展するという新しい微惑星形成シナリオを提唱した.CIの線形解析の論文はすでにThe Astrophysical Journalに投稿済みであり,現在査読中である.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)