2019 Fiscal Year Annual Research Report
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18J20411
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱 祐太郎 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | オートファジー / 選択的オートファジー / 細胞内分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
オートファゴソームへの選択的分解基質の取り込みには、オートファジー関連タンパク質LC3/GABARAPと選択的分解基質の両方と結合する選択的オートファジーアダプターが重要である。選択的分解基質がオートファジー関連遺伝子の集積にも関与している可能性を遺伝学的手法により検証した結果、オートファジー始動因子であるFIP200およびATG9が、選択的オートファジーアダプターに集積することがわかった。このうち、ATG9については新規の現象であることから、詳細な解析を行った。 選択的オートファジーアダプターとして5種類のタンパク質が知られているが、ATG9を集積するアダプターはTAX1BP1を含む3種類であった。TAX1BP1についてより詳細な機構を解析した結果、ATG9の集積はTAX1BP1のコイルドコイル領域に依存していることがわかった。ATG9集積不全となる点変異体発現細胞を作製し解析したところ、フェリチンの分解に障害が見られた。この結果から、TAX1BP1によるATG9の集積はフェリチンの選択的分解効率に寄与していることが示唆された。ATG9は異なる選択的オートファジーアダプターへと集積することで、それぞれの基質の分解に寄与していると推察される。 ATG9は選択的分解基質に集積する一方で、オートファジー始動因子であるATG13にもリクルートされることがわかった。このリクルートには、ATG13のHORMAドメインとATG9のC末が重要であり、この欠損変異体発現細胞ではオートファジーの活性の低下が認められた。 以上から、ATG9にはオートファジー関連構造体への2つの集積機構が存在することが示唆された。このうち、選択的オートファジーアダプターへのリクルートは選択的オートファジーの効率に、オートファジー始動複合体へのリクルートはオートファジーの実行にそれぞれ寄与していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
選択的オートファジーアダプターへのATG9集積機構という新規の現象を発見し、その分子機構および生理的意義の解析がある程度進んだ。この発見は、選択的オートファジーアダプターへのFIP200の集積とあわせて、選択的分解的基質依存的なオートファジー始動機構の解明に繋がると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
ATG9のTAX1BP1へのリクルート機構については、更にその分子機構の解析を継続する。また、ATG9の2つの集積機構が存在するが、どちらの経路も影響が部分的であることから、相補性が存在する可能性が考えられる。これを検証する。 オートファジー始動複合体のリン酸化依存的集積機構についても解析を継続する。
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