2018 Fiscal Year Annual Research Report
Determination of M - R relation for X-ray Isolated Neutron Stars with keV - X-ray excess
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18J20523
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米山 友景 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | X線天文学 / 中性子星 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象であるX-ray Isolated Neutron Star (XINS) について、昨年度から引き続きX線天文衛星 XMM-Newtonによる観測データを解析し、現在知られている7つのXINS全てについて、既知の放射モデルでは説明できない放射成分「keV 超過成分」を発見した。このkeV 超過成分がバックグラウンドや検出器由来の系統誤差ではなく、天体からの放射であることを検証した。keV超過成分を含むXINSのX線スペクトルは2温度黒体放射(2BB)モデルで再現された。2BBモデルのパラメータは、XINSよりも数桁若く、強く磁化されている単独中性子星の種族「マグネター」と相似であることを発見した。これは、かねてから示唆されていた「マグネターが冷却してXINSに進化する」という仮説を裏付ける観測的証拠である。 また、XINS 7天体中最も明るい RX J1856.5-3754 について、XMM-Newtonによる観測データを追解析し、自転周期に伴うスペクトル変動を探査し、中性子星表面の温度分布がスペクトル解析のみから得られた描像よりも複雑であるという示唆を得た。 これらの成果をもとに、ISS搭載の軟X線検出器「NICER」に対してゲストオブザーバとして観測提案を行い、提案通りRX J1856.5-3754 に対して200 ks の観測時間を獲得した。 また、X線撮像分光衛星「XRISM」搭載のX線望遠鏡システム「Xtend」の検出器開発、硬X線撮像衛星「FORCE」搭載の硬X線反射鏡の性能評価、多重像X線干渉計「MIXIM」の基礎開発などの多数の実験に参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度には、X線単独中性子星について現時点で利用可能な観測データを解析し、高温成分の性質を明らかにした。また、その結果を踏まえ、最新のX線観測装置である Neutron Star Interior Composition ExploreR に RX J1856.5-3754 の観測提案を提出し、競争的審査を経て200キロ秒の観測を獲得した。これらは本研究の計画に沿ったものであり、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年1月時点でNICERによるRX J1856.5-3754の観測は完了している。以後、単独中性子星の質量-半径制限という本研究の大目標のために解析を進める。
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Research Products
(5 results)