2019 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本における在日朝鮮人の国籍問題に関する総合的研究
| Project/Area Number |
18J20567
|
|---|
| Research Institution | Hitotsubashi University |
|---|
Principal Investigator |
金 誠明 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC1)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
| Keywords | 在日朝鮮人 / 在日朝鮮人運動 / 国籍 / 外国人登録 / 朝鮮戦争 / 法的地位 / 朝鮮史 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、戦後日本における在日朝鮮人の国籍問題と関連して、研究対象とする在日朝鮮人の活動の範囲を広げ、解放後からの法的地位をめぐる在日朝鮮人の活動に焦点を当て、関連先行研究の整理・検討、新たな在日朝鮮人団体の資料の収集・分析、地方公文書館所蔵資料をはじめとする行政文書の調査・収集などを行った。
とりわけ、当時最大の民族団体であった在日本朝鮮人連盟の強制解散・法的地位や在留権（強制送還）をめぐる問題と関連して占領当局、日本政府、地方自治体及び、在日朝鮮人がいかなる認識と対応を示したかについて分析を進めた。また「国籍」をめぐる問題と関連して、韓国国民登録がいかにして準備、実施されたか、在日朝鮮人団体はいかなる対応を示したかについて検討を進めた。
本研究では、法的地位・「国籍」をめぐる在日朝鮮人の認識と活動について、解放後の新朝鮮建設課題、朝鮮本国の状況、日本政府、李承晩政権、占領当局の施策との関連から検討した。また、2018年度に引き続き従来の資料集と先行研究では十分に用いられてこなかった新たに調査した資料の収集・分析も行った。さらに、日本共産党関係資料の分析、GHQ検閲史料である「プランゲ文庫」所蔵史料の収集・分析、朝鮮大学校「在日朝鮮人関係資料室」所蔵資料の調査を行い、在日朝鮮人団体の新聞・機関紙・大会議事録などを整理、分析することに注力した。
こうした調査・分析を下に、それらの研究の具体的な成果として在日朝鮮人団体の強制解散問題に対する在日朝鮮人の認識と対応について論文を執筆し、投稿した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、上記の通り戦後日本における在日朝鮮人の国籍問題と関連して、解放後からの法的地位をめぐる在日朝鮮人の活動に焦点を当て、関連先行研究の整理・検討、在日朝鮮人団体の資料の収集・分析、行政文書の調査・収集などを行うことができた。またこうした調査、分析を下に論文執筆・投稿を行うことができた。以上の研究状況に鑑みて、2019年度は上記の評価とした。
|
| Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、解放後の法的地位をめぐる在日朝鮮人の活動に焦点を当てた関連先行研究の整理・検討と資料の調査・分析が中心となったため、今後、それらの分析を下に論文執筆を進めていきたい。
|
