2019 Fiscal Year Annual Research Report
S/N比80dB超・広光波長帯域CMOS撮像素子による吸光・発光イメージング
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18J20657
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤原 康行 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 電子デバイス・機器 / センシングデバイス / 撮像素子 / 吸光イメージング / 横型オーバーフロー蓄積トレンチ容量 / 近赤外光 / 高飽和 |
Outline of Annual Research Achievements |
高精度な吸光分析を2次元画像として実現するために、高いSNRと、紫外から近赤外の広光波長帯域における高い量子効率を同時に実現するCMOSイメージセンサを開発すること、また、その応用として非侵襲での血糖値測定の基礎技術を確立する研究に取り組んでいる。
本年度は、高いSNRと紫外から近赤外の広光波長帯域における高い量子効率を同時に実現する為の要素技術である高密度容量かつ低リーク電流な画素内光電荷蓄積キャパシタを導入したイメージセンサの1次試作及び測定を行い、単一フレームでSNR70dB超、ダイナミックレンジ120dB超を実測で得た。また、10フレームを平均することで、80dB以上のSNRを達成した。低照度から高照度までの全域で高いSNRを達成する為、画素構造を見直し、全信号切り替え点で35dB以上のSNRを実測で得た。また、基板を300μmまで薄化し、裏面処理を行ったイメージセンサを試作し、基板裏面にバイアス電圧を印加することで、近赤外光に対してさらなる感度向上とクロストークの抑制が出来ることを確認した。これらの結果を、『IS&T International Symposium on Electronic Imaging 2020, Imaging Sensors and Systems 2020』及び『IEEE Transactions on Electron Devices』にて報告した。1次試作センサの測定結果と構築した構造を基に、2次試作センサの設計に着手した。
非侵襲血糖値測定に向けた取り組みとして、模擬生体を用いた測定系を構築し、検量線の測定を行った。光源及びレンズを改良し、測定手順も見直すことにより測定精度を向上し、検量線を取得した。また、生体を用いた吸光イメージングにも着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
高いSNR、紫外から近赤外の広光波長帯域における高い量子効率を同時に実現する為の要素技術である高密度容量かつ低リーク電流な画素内光電荷蓄積キャパシタを導入したイメージセンサの1次試作及び測定を行った。単一フレームでSNR70dB超、10フレーム平均で目標とする80dB超を達成した。1次試作センサの測定結果と構築した構造を基に、2次試作センサの設計に計画通り着手した。分光手段に関しては、実験を進めていく中で光の利用効率を高める必要があったので、LEDの発光波長を切り替える方式を検討した。血糖値測定に関しては、模擬生体を用いた測定系を構築し、検量線を測定した。計画に先駆けて生体での実験にも着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度に試作を行った1次試作センサの測定結果と構築した構造を基に、2次試作センサの設計、試作を行う。分光手段に関しては、LEDの発光波長を切り替える方式を検討していく。非侵襲血糖値測定に向けては、模擬生体を用いた検量線測定及び生体での実験を引き続き進めていく。以上の内容をまとめ最終年度として研究の総括を行う。
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