2020 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームタンパク質による細胞がん化制御機構の包括的解明
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18J20791
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高藤 拓哉 九州大学, 薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 新規がん抑制遺伝子 / リボソームタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
高発がん性リボソーム病関連タンパク質を対象として、それらの発現抑制がヒト細胞のがん化にどのような影響を与えるかを網羅的に解析した。さらに、がん抑制活性が認められたものについては、その分子機構の解明を目指している。これまでにsiRNAによる発現抑制細胞を用いた軟寒天コロニー形成試験を行った結果、がん抑制メカニズムが既知であるRibosomal Protein L5(RPL5)およびRPL11に加えて、RPS7, RPS17, RPS19を新規がん抑制因子として同定した。 昨年度、shRNAによるRPS17, RPS19安定発現抑制細胞を用いてヌードマウス腫瘍形成実験を行った。その結果、いずれの細胞においても腫瘍サイズが増大した。このことから、RPS17およびRPS19のin vivoでのがん抑制活性をヒト細胞で示せた。RPS7, RPS17, RPS19による新規がん抑制メカニズムの解明のために、質量分析法を用いて結合因子の探索を前年度に引き続き行った。同定されたRPS17結合因子候補の中からNPM1に着目し、免疫沈降法を用いてRPS17とNPM1の結合特異性を示した。さらに、RPS17部位欠失変異体を作製し免疫沈降実験を行ったところ、RPS17がそのN末端領域を介してNPM1と相互作用することが示唆された。加えて、大腸がん由来HCT116細胞にレトロウィルスを用いて全長RPS17あるいはNPM1結合能が欠失しているRPS17変異体を安定発現させた。同細胞を用いて軟寒天コロニー形成試験を実施したところ、形成される大型コロニーの数がコントロールと比較して全長RPS17発現で減少し、RPS17変異体ではそのような減少は認められなかった。これにより、RPS17によるがん抑制にはNPM1との結合が重要である可能性が示唆された。上記の内容をまとめ、学位論文を執筆した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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