2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J21155
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉田 祐貴 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | クマムシ / DNA損傷 / 酸化ストレス / トランスクリプトミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は2019年度に引き続きDNA損傷因子への応答を調査するために、以下の研究を進めた。 [DNA損傷薬剤への応答] 当初はヨコヅナクマムシを用いる計画であったが、飼育の状態が安定しなかったためより飼育しやすいエグゼンプラリスヤマクマムシを対象とした。まず曝露条件を検討すべく、様々な濃度でDNA損傷薬剤であるBleomycinをエグゼンプラリスヤマクマムシに24時間曝露したところ、100-400uMであれば致死量に到達せず、細胞内でストレスが発生することに起因すると思われる活動量の減少が見られた。これより100uMを曝露条件と決定し、曝露後24時間に渡って経時的なRNA-Seq解析を実施し、乾眠移行中のトランスクリプトームの変動と比較した。その結果、エグゼンプラリスヤマクマムシの乾眠移行中およびbleomycin応答中の早期から中期にかけての2条件で、抗酸化経路やアミノ酸代謝に関わる遺伝子が濃縮されることが明らかとなった。また、これまでヨコヅナクマムシの解析では見られなかったクマムシ特有の防御タンパクの発現誘導が見られ、先に報告したヨコヅナクマムシとエグゼンプラリスヤマクマムシの乾眠様式の違いの関与が示唆された。 [クマムシ特異的な新規抗酸化遺伝子ファミリー] 昨年度報告したクマムシにのみ広く保存される新規の抗酸化遺伝子について機能解析を進めた。立体構造の決定およびin vitro実験系によってこのタンパクは新規の抗酸化タンパク質であることが確認された。本研究については論文としてまとめ、現在投稿中である。 [ヨコヅナクマムシのガンマ線照射への応答] 初年度に実施したヨコヅナクマムシをガンマ線に曝露したのちの経時的RNA-Seq解析データをデータ論文としてまとめ、Data in Brief誌にて採択された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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