2020 Fiscal Year Annual Research Report
磁気-光相関物性を有する発光ラジカルナノワイヤの創製
Project/Area Number |
18J21163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 舜 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ラジカル / 発光 / 磁場効果 / 二重項 / 金属錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、安定発光ラジカルを錯形成反応を用いて1次元集積させることにより発光性ラジカルナノワイヤを合成すること、さらに閉殻分子では実現が困難な新奇磁気-発光相関特性を創出することを目的とする。 本年度はまず発光ラジカル種の拡張を目指して、分子構造内にピリジン環を三つ有する発光ラジカルtrisPyMを合成した。本物質の発光特性について吸収・発光スペクトルやDFT計算によって詳細に調査したほか、発光特性の化学刺激応答性についても調査した。さらに、trisPyMとビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)亜鉛(II)との錯形成反応により形成する二次元錯体(trisZn)を合成し、その発光特性や光安定性、磁気特性について調査した。本物質は発光ラジカルを分子構造内に含む発光性の配位高分子という稀有な物質であることが明らかになった。 さらに、上記trisZnおよび、分子構造内にピリジン環を二つ有する発光ラジカルbisPyTMとビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)亜鉛(II)との錯形成反応により形成する新奇一次元錯体(bisZn)の磁場下における発光特性を調査した。両物質は磁場の印加に従い発光強度が増強することが分かり、特にbisZnにおいては磁場の印加により非発光性-発光性のスイッチングを達成した。両物質は純物質(=分子結晶にドープしていない)として磁場応答発光を示す初のラジカル化合物であるだけでなく、「配位高分子の形成」という手法が磁場応答発光の達成に有用であることを示唆している。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)