2019 Fiscal Year Annual Research Report
First-principles Study on Origins of the Giant Rashba Effect at Surfaces/Interfaces
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18J21257
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山口 直也 金沢大学, ナノマテリアル研究所, 特任助教 (70868116)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ラシュバ効果 / 界面 / 電場 / 局在長 / Wannier中心 / スピンテクスチャ / 第一原理電子状態計算 / スピン流-電流変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はラシュバ係数の説明変数としてラシュババンドに対する局在長及びWannier中心が利用できるか調べるための網羅的な計算を行うために、本研究で利用している第一原理電子状態計算コードOpenMXにジョブ管理ソフトであるOACISを接続するインターフェースの開発を行った。また、電場下でのラシュババンドの振る舞いに関して、特に電場制御性の観点から多面的に調べるために、前年度に開発した電場印加の計算コードを発展させ、電場下での原子に働く力の計算コードをOpenMXに追加したことで電子誘電率、静的誘電率、有効電荷などの誘電特性の評価が可能となり、それらとの関係について調べることが可能になった。高並列での応用計算ではメモリ不足の問題が生じたため、メモリ使用を効率化するようにコードを改良し十分応用計算が可能な水準に達した。ラシュババンドの解析を精細に行うには、エネルギー固有値を様々な波数(k点)に対して計算する必要があるが、前述の電場印加の方法で直接取り扱うとk点数が過大になる問題があるため、少数のk点を考慮した電場印加計算から得られた電子密度から任意のk点でのエネルギー固有値を見積もる方法を開発し、その有効性を検証した。本研究から得られた成果を近日中に論文として物理系学術雑誌に投稿する予定である。 また、前年度から引き続いて参画している2件の実験グループとの共同研究において、Bi2O3/銅界面における光誘起スピン流-電流変換(成果はPhysical Review Lettersに掲載)、フタロシアニン/銅界面におけるスピン流-電流変換(成果はNano Lettersに掲載)に関して、第一原理計算による電子状態の解析を行い理論的に裏付けた。 前年度において効率化されたスピンテクスチャ計算プログラムはOpenMX 3.9版に収録されて公開され、線欠陥のある遷移金属ダイカルコゲナイド単層での永久スピン螺旋に関する共同研究に活用され、その成果はPhysical Review Bに掲載された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(15 results)