2020 Fiscal Year Annual Research Report
固形がんに対するがん免疫療法の治療効果に関わる抗腫瘍免疫応答の本態解明
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18J21551
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
熊谷 尚悟 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | がん免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの結果を受けて、胃癌細胞株を用いて検討したところ、RHOA Y42C変異によりPI3K/AKT経路が活性化し、CD8陽性T細胞の遊走を惹起するCXCL10/CXCL11発現が低下することでRHOA Y42C腫瘍の免疫応答が低下した。RHOA Y42C変異とeTreg浸潤の関係を検討したところ、RHOA Y42C変異胃癌で脂肪酸代謝関連遺伝子群がエンリッチした。中でも脂肪酸合成に深く関わるFASN遺伝子発現が有意に高いことが判明した。eTregは他のリンパ球より解糖系より酸化的リン酸化にエネルギー活用を依存しており(Weinberg SE, et al. Nature 2019)、腫瘍が産生する脂肪酸をエネルギー源としている。RHOA Y42C変異腫瘍の微小環境ではTregが多く浸潤し抑制活性も高く、抗PD-1抗体治療に耐性を示した。このTregのフェノタイプは腫瘍のFasnをノックダウンすることでキャンセルされた。以上よりRHOA Y42C 変異は脂肪酸合成を介し他のリンパ球よりTregの生存・機能に有利な環境を作り免疫逃避していることが示唆された。腫瘍浸潤CD8陽性T細胞上のPD-1発現が抗PD-1抗体治療のバイオマーカーとなることが知られている。抗PD-1抗体治療を実施した進行悪性腫瘍患者の腫瘍浸潤リンパ球を解析すると、我々のコホートでも腫瘍浸潤CD8陽性T細胞上のPD-1発現は効果予測バイオマーカーとなっていたが、腫瘍浸潤CD8陽性T細胞上のPD-1発現が高くとも、奏功しない一群を認めた。その詳細をAIにより解析したところ、eTreg上のPD-1高発現が治療耐性に関わることが判明し誌上報告した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)