2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18J21663
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊澤 俊太郎 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
|
Keywords | 視床下部 / 睡眠 / 記憶 / 神経伝達物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで本研究課題は、メラニン凝集ホルモン産生神経(Melanin-concentrating hormone-expressing neurons: MCH神経)が、レム睡眠時特異的に記憶の忘却機能を持つことを明らかにした。しかし、MCH神経が活動に伴い放出する多様な神経伝達物質のうち、いずれの物質が記憶制御に働いているのか特定ができていなかった。また、MCH神経が興奮性、抑制性、いずれの神経伝達物質を放出するのかについても、先行研究では両方の主張があり意見が分かれていた。そこで本年度は、MCH神経がグルタミン酸作動性(興奮性)かGABA作動性(抑制性)かの検証を進めることを目指し研究を行った。 GAD67-Cre,VGAT-Cre,Vglut2-Creマウスの視床下部外側野に、アデノ随伴ウイルス(AAV)微量注射を用いてCre依存的にtdTomatoを神経核に局在発現させた。3種類位いずれのマウスにおいてもtdTomatoの発現が認められ、免疫染色によって標識したMCH神経とのマージの有無を観察した。結果、VGAT-CreマウスではMCHとtdTomatoは全くマージが無かったのに対し、GAD67-Cre,Vglut2-CreマウスではMCH神経の約80%にtdTomatoが発現していた。MCH神経はGAD67を発現しGABAの合成はできるが、VGATを持たないためその放出はできず、むしろVglut2を通じたグルタミン酸放出によって興奮性の機能を持つことを示す結果である。これまでMCH神経が興奮性、抑制性かの議論が分かれていたのは、興奮性に機能するにも関わらずGAD67を発現するというトリッキーな性質を持つことが要因であったと考えられる。今後はMCH神経の放出するグルタミン酸ついて、記憶や睡眠を含めた多様な機能の解明が期待できる。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(1 results)