2019 Fiscal Year Annual Research Report
Plasticity and pluripotency of early language development in infants and toddlers: Focusing on the developmental linkage with tool-use
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18J21948
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 広道 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 乳幼児 / 言語発達 / 出来事 / 名詞 / 分化 / スケールエラー / 作業療法 / 語意学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
■本研究の目的は,乳幼児期の道具使用と言語との発達連関に着目して,初期言語がどれほど品詞構造によらず分化多能性に富むかを検証し,その可塑的な形成・分化過程を解明することである。今年度は,以下の4つの側面から研究を進めた。 1.「名詞的な語の意味分化に関する実験」:前年度までに実施した研究成果が,「Journal of Experimental Child Psychology」誌に掲載された。さらに,実験条件やサンプルサイズを拡大してデータ収集を行ない解析を進めている。結果の一部は,2020年7月に英国にて開催される乳幼児心理学の国際会議ICISにて発表予定である(受理済み)。 2.「道具に関する語概念の分化に関する実験」:言語発達と道具使用とを架橋する「スケールエラー」現象に注目して,実験計画を立案しデータ収集を行なった。まもなくデータ収集が完了する見込であり,本共同研究の成果の一部は,2020年3月に実施された発達心理学会にて報告(不参加発表)した。 ③「母子相互作用の縦断的発達に関する調査」:母子間の相互作用場面のビデオ撮影を行ない,2者の言語やコミュニケーション,韻律の縦断的な変化について検討するために,国内3家庭の協力を得てデータ収集を進めた。 ④「発達検査場面の動画を用いた定量的指標の抽出・解析に関する実験」:定型発達児の養育・保育場面や発達障害児の療育場面など,非実験場面のデータを収集し定量化する手法を探索するために,まずは発達検査場面の動画から身体運動を抽出し定量的に解析・評価解析する手法の開発を共同研究者と進めた。研究成果は「Occupational Therapy International」誌に掲載予定である(印刷中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は,国際誌での2件の論文掲載が決定した。さらに,得られたデータをもとに現在は3件の論文執筆を同時並行的に進めている状況である。したがって,本研究は着実に進捗しているといえる。「名詞的な語の意味分化に関する実験」については,すでにデータ収集が完了しており,解析を進めている状況である。「道具に関する語概念の分化に関する実験」についても,間もなくデータ収集が完了する見込みであり,解析方針についても目途が立っている。「母子相互作用の縦断的発達に関する調査」は縦断研究であるためデータ収集に時間を要するが,次年度中にはデータ収集が完了する見込みである。「発達検査場面の動画を用いた定量的指標の抽出・解析に関する実験」にて用いられた手法の一部は,「名詞的な語の意味分化に関する実験」の分析手法の開発にも適用されており,各実験の有機的な結合・発展が実現されている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本研究課題の最終年度であるため,基本的には新たなデータ収集は実施せず,解析と論文執筆に注力する予定である。具体的には,以下のように研究を推進する。 「名詞的な語の意味分化に関する実験」:今年度までにデータ収集が終了しているため,解析を進め国際誌への投稿を目指す。まず,1~2歳児に対する実験課題の解析手法について,機械学習を用いて共同研究者と共に開発を進めているため,当該研究の成果を方法論に関する論文として次年度序盤に投稿する。次いで,その手法を用いて今年度収集したデータの解析を進め,名詞的な語の意味分化に関する実験研究の論文を執筆・投稿する。 「道具に関する語概念の分化に関する実験」:データの収集は間もなく終了見込みであるため,次年度序盤には解析段階に移行できると見込まれる。解析においては,通常の統計手法に加えて,「スケールエラー」現象の生起頻度に関する過小評価の度合いを併せて推定するために,「サイト占有モデル」と呼ばれる統計モデルを使って解析を進め,論文を執筆・投稿予定である。 「母子相互作用の縦断的発達に関する調査」:次年度いっぱいまでデータ収集に時間を要する予定である。得られたデータの予備解析を行ない,国内学会にて中間報告することを目指す。 「発達検査場面の動画を用いた定量的指標の抽出・解析に関する実験」:子育てや保育・療育の日常場面から直接データ収集するための方策について共同研究者との打合せを行い,予備的にデータ収集を行なう予定である。
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[Journal Article] Computer vision-based approach for quantifying occupational therapists' qualitative evaluations of postural control2020
Author(s)
Hagihara, H., Ienaga, N., Enomoto, D., Takahata, S., Ishihara, H., Noda, H., Tsuda, K., Terayama K.
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Journal Title
Occupational Therapy International
Volume: 印刷中
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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