2019 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-炭素結合形成反応を促進する電解溶液の分析とそのアザヌクレオシド合成への応用
Project/Area Number |
18J22018
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
今田 泰史 東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 電解溶液 / ラジカルカチオン / Aggregation / Li系支持塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで所属研究室における研究成果として、過塩素酸リチウム(LiClO4)/ニトロメタン(NM)溶液が炭素-炭素 結合形成を促進する電解溶液であることがわかっていた。しかしながら、高濃度の LiClO4 (1 M)/NM 溶液がな ぜラジカルカチオン種を介する炭素-炭素結合形成反応において有効なのか、その理由は明らかで はなかった。そこで、その溶液効果を明らかにすることを研究目的とした。 これまで、1,1,1,3,3,3-Hexafluoro-2-propanol(HFIP)が同様に炭素-炭素結合形成反応を促進す る溶媒であることが明らかにされていた。これは、HFIP の強い水素結合供与性により、支持電解質のアニオンを 捕縛することで、陽極酸化によって生じるラジカルカチオン種を安定化するためと考えられている。これに着想 を得て、1 M LiClO4/NM 溶液では、Li カチオンが ClO4 アニオンとイオン対を形成することでアニオンを捕縛して いるのではないかと仮説を立てた。 そこで、LiClO4/NM 溶液中で Li カチオンと ClO4 アニオンがイオン対を形成していることを裏付けるため、ラマ ン分光法による分析を行った。ここで、過去に LiClO4/NM と同様の性質を示した LiTFSI/NMと LiFSI/NMについても分析を行った。 結果として、いずれの溶液系においても Li 塩が濃いほどそれぞれ 942 cm-1, 749 cm-1, 751 cm-1 にイオン同士が凝集 していることに由来する新たなピークが出現した。すなわち、高濃度溶液中では、Li+が ClO4-とイオン対を形成 しており、自由なアニオンが少ない状態と言える。これによって、陽極酸化によって生じたラジカルカチオン種 はアニオンからフリーな環境ができ、その反応性を確保することができると考えている。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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