2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the Fibrillization Mechanism of an ALS-Related Protein SOD1
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18J22192
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩川 直都 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | アミロイド線維 / Rheo-NMR / 構造変化 / ALS / SOD1 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内を模倣した混雑環境におけるアミロイド形成機構の解析 昨年度までの研究により、細胞内を模倣した混雑環境ではoff-pathway状態が安定化されることによりSOD1のアミロイド線維形成が抑制されることを明らかにしている。 本年度は、このoff-pathway状態、特に混雑分子との結合状態についてより詳細に解析するために、NMR滴定実験を行った。NMR滴定実験の結果、SOD1は混雑分子と弱く相互作用していることが明らかとなった。さらに、変性構造のSOD1について同様のNMR滴定実験を行うことで、比較的強い相互作用が存在することを明らかにした。これらの相互作用が、線維の前駆体である混雑分子と結合していない変性状態の存在比を低下させ、アミロイド線維形成を抑制する機構を明らかにした。以上の研究成果をまとめ、国際学術雑誌へ論文を投稿した。
Rheo-NMR法を用いたアミロイド形成機構の解析 アミロイド線維形成過程におけるSOD1のNMRシグナルの時間変化を解析した。アミロイド形成に伴い、多くのピークは一様なピーク強度減少を示す一方、一部の残基において特徴的な強度変化を示すピークが見られた。特徴的な強度変化として、①遅延時間で他のピークよりも大きくシグナル強度が減少するもの、②線維形成終了後にシグナル強度が0にならずNMRシグナルとして観測可能なものの2点が挙げられる。これらの知見は、①アミロイド形成に先立ち構造が壊れる領域および②アミロイド線維またはオリゴマー中で柔軟な構造を有する領域であることを示唆している。さらに、CLEANEX-PM測定により、遅延時間において水素交換速度が抑制される残基を特定した。これは、これらの残基を介した分子間相互作用により線維の核が形成することを示唆している。これらは、SOD1のアミロイド形成に関する初めての残基分解能での構造変化情報であると考えている。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)