2019 Fiscal Year Annual Research Report
Applications of nano-carbon materials on perovskite solar cells
Project/Area Number |
18J22263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徐 昇柱 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | ドーピング / カーボンナノチューブ / ペロブスカイト太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペロブスカイト太陽電池において太陽電池上部の金属電極は主にコストが高い真空蒸着によって成膜される。また、こちらに使われる金や銀そのもののコストも高く、ペロブスカイト太陽電池のコストを上げる重要な要因となっている。更にこれらの金属電極はペロブスカイト内に金属イオンを拡散させ、ペロブスカイト物質と化学反応することで太陽電池の耐久性を低下させることが知られている。その解決策の一つとして、単層カーボンナノチューブ(SWNT)をペロブスカイト太陽電池の上部の電極として応用する研究報告がある。SWNTは太陽電池内のペロブスカイト層の劣化の原因である水分をブロックできる疎水性であることや地球上の豊富に存在し、資源制約への懸念がないことおよび機械的強度が高いことでペロブスカイト太陽電池の上部の電極として研究されている。上部の電極としてSWNTを応用することで、既存金属電極での金属イオンの拡散を防止出来たり、シンプルな機械的転写によって電極を成膜できることでペロブスカイト太陽電池のコスト低減に役に立つと考えられる。しかし、それらのメリットは次の三つのファクターによって制限されている。一つ目はSWNTとペロブスカイト層のエネルギーレベルのミスマッチ、二つ目は既存金属電極より低い電気伝導度、三つ目は反射特性が既存の金属電極より劣っていることで短絡電流がロスしてしまうことである。私はSWNTにおける上記の三つの問題をMoO3を用いてドーピングを行うことで改善できた。MoO3をSWNT上に真空蒸着することで、SWNT電極の仕事関数をチューニングし、電気伝導度および反射特性を向上させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MoO3によるSWNTのドーピングメカニズムに解明およびそれらが太陽電池の性能や耐久性に与える影響について調べている。また、SWNTに配向性を持たせるために、水晶基板上にSWNT合成を行ったものの、SWNTの密度がデバイスに応用できるまでには届かなかったので更なる高密度成長方法について研究を行っている。また、高密度SWNTを正しくデバイス応用のために転写する技術についても研究を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は配向生を持たせた高密度SWNTをペロブスカイト太陽電池に応用し、その配向生とデバイスでの影響を調べる。また、配向生を持たせることで密度が低下され、導電性が落ちる問題も予想されるが、それをドーピングの方法を用いて解決していきたいと思う。
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Research Products
(6 results)