2018 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療における幾何学的誤差に関する患者個別最適化を可能にするシステムの開発
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18J22705
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
黒澤 知征 東京女子医科大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 線量計算 / セットアップエラー / CBCT / IGRT |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)CT画像の読み込みおよび表示、線量分布の読み込みおよび表示、ストラクチャー情報、Dose volume histogramが表示可能なGraphic User Interface (GUI)を含めたプログラムを実装した。 (2)開発したGUIに加えて、Central processing Unit (CPU)上で動作する線量計算プログラムを実装した。また単純条件(水ファントム 照射野10x10cm2)市販されている治療計画装置Eclipse(Varian社製)で計算した結果との比較を実施した。単純条件では良好な一致を示したが、今後は空気を含む条件や計算時間短縮の試みが必要である。 (3)並行して、実際の患者のセットアップエラー(SE)情報から確率密度分布を作成するにあたり、3次元的なSEの情報を得るためには毎日のCBCT撮影による位置合わせが必須となる。ここで問題となるのが、CBCT撮影時における被曝線量と撮影に要する時間(スループット)である。そこで毎日のCBCTによる円滑かつ低被曝で3次元的なSEを得ることができる高速CBCT撮影に焦点を当てた。一方で、この高速CBCT撮影により得られたCBCT画像はその画質が劣化するため正確な3次元的なSEの情報を得られない可能性がある。したがって近年注目されているdeep learning技術を組み合わせた画質改善の実現可能性を調査し、その結果を第32回高精度放射線外部照射部会学術大会にて発表を行った。今後はより大規模な患者データでの検証および、正確な3次元的なSEの情報を得るために重要なCT値の正確性について評価する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CT画像の読み込みおよび表示、線量分布の読み込みおよび表示、ストラクチャー情報、Dose volume histogramが表示可能なGraphic User Interface (GUI)を含めたプログラムを実装した。加えて単純条件で計算した結果との比較を実施している。また関連学会に参加、情報収集して得たdeep learning技術を応用するアイディアを取り入れ、セットアップエラー情報の収集にも着手し、期待通りの進展であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したGUIおよび線量計算プログラムは単純条件では良好な一致を示したが、計算時間短縮の試みが必要であった。セットアップエラーを加味した線量分布を計算するためには、複数のセットアップエラーでの線量計算結果が必要となり、計算時間短縮が1番の課題となるため計画を修正する。この問題を解決するため、計算された線量分布をアイソセンターから並行移動させることで簡便にセットアップエラーが生じた線量分布を再現できる手法の提案およびその妥当性を確認する。しかしながら並行移動させた線量分布は、実際にセットアップエラーが生じた線量分布とビームパスが異なるため実際の線量分布と異なる可能性もある。したがって提案するセットアップエラーを再現(線量分布を並行移動)した線量分布と実際にアイソセンターを動かして再計算させた線量分布を比較し、提案する手法の妥当性を確認する。この妥当性が確認できれば、一度の線量計算のみで勘弁にセットアップエラーを再現した線量分布を再現できると考えらえる。次に実際の患者のセットアップエラー情報から確率密度分布を作成するにあたり、3次元的なSEの大量な情報を得るためには毎日のCBCT撮影による位置合わせが必須となる。ここで問題となるのが、CBCT撮影時における被曝線量と撮影に要する時間(スループット)である。そこで毎日のCBCTによる円滑かつ低被曝で3次元的なSEを得ることができる高速CBCT撮影に焦点を当てた。一方で、この高速CBCT撮影により得られたCBCT画像はその画質が劣化するため正確な3次元的なSEの情報を得られない可能性がある。したがって近年注目されているdeep learning技術を組み合わせた画質改善の実現可能性を調査し、大規模な患者データでの検証および、正確な3次元的なSEの情報を得るために重要なCT値の正確性について評価する。
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