2019 Fiscal Year Annual Research Report
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18J23079
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平田 優介 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 匂いセンサ / GPCR / カルシウムイメージング / コラーゲンパターニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、匂い応答細胞を用いて作製した細胞円柱を測定するための携帯型スマートフォンセンサの作製を行った。 匂いは爆発物の捜索や、病気の診断に用いられるため、保安や医療の分野で注目が集まっている。匂い応答細胞は匂いに対して高感度、高選択であることから、細胞を用いた匂いセンサが提案されているが、匂いに応答して細胞から発せられる蛍光は微弱であるため、検出には蛍光顕微鏡やプレートリーダのような大型の機器が必要であった。そこで、前年度はコラーゲンに懸濁した細胞をPDMSで作った鋳型に流し込み、ガラス基板に転写することで、細胞円柱を作製し、細胞を積層することで蛍光シグナルの増強を行った。 本年度はこの細胞円柱の応答を携帯型のセンサで検出するために、スマートフォンベースのセンサを作製した。スマートフォンに取り付ける光源及びサンプルホルダーは3Dプリンターにより造形し、蛍光検出であることから、光の漏れを減じるため反射防止剤を全面に塗布することで作製した。また、携帯しながら測定することを考えると、移動の際の揺れでサンプルが動くことで蛍光輝度の測定値にノイズがのることが考えられる。実際に足踏みを行いながら、カルセインで染色した細胞円柱の蛍光測定を行うと、ノイズが生じることが確認できた。そのため、蛍光輝度の測定点を、測定ごとに画像認識を行い測定点を測定ごとに定めなおしたところ、大きなノイズの減衰が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的である携帯型匂いセンサの開発を行っており、本年度は予定通り、細胞を観察可能なデバイスの作製を行い、匂いの検出に成功している。進捗としては順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、作製したデバイスで気相の匂い物質を検出できるように細胞の乾燥を防ぎながら細胞円柱を気相に曝露する方法について計画中である。
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