2020 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロデバイスを用いた単一酵素活性検出による病態診断法の開発
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18J23224
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 眞伍 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | 蛍光プローブ / 1分子計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、マイクロデバイス上で酵素活性を検出可能な、数十~数百の酵素反応部位を有する蛍光プローブライブラリを開発することで、生体内に存在する多数のタンパク質を1分子レベルかつ網羅的に検出し、疾患の早期診断や患者の層別化に資するような新規バイオマーカーを探索することを目指した。 このような目的においては、生体内に存在する多様な酵素活性を網羅的に検出可能なプローブライブラリを開発することが必要であるため、簡便かつ同時並行的に多数のプローブを合成するための新たな方法論の確立にも取り組んだ。具体的には、化学合成によって生成する目的の蛍光プローブを、ビーズを用いたアフィニティー精製によって簡便に精製するライブラリ調整法(Synthesis-based on affinity separation)の概念を利用し、ホスホン酸を有する蛍光母核を用い、phos-tagによるaffinity精製を利用した合成法を確立した。 この方法論により、実際にpeptidase, protease, glycosidase等の活性を検出可能な、80種類を超える蛍光プローブライブラリの開発に成功した。 また、本プローブライブラリを用いた実証実験として、国立がん研究センター早期診断バイオマーカー開発部門の本田一文先生のご協力のもと、すい臓がん患者に由来する血漿サンプル中から、実際に20種類以上のプローブを用いて酵素活性を1分子レベルで検出することに成功しており、本手法でタンパク質バイオマーカーの効率的探索をおこなうことが可能であることを示した。 今後は、より多数の検体を用いたスクリーニングを行い、有望なシーズ活性については、より精度よくこれを検出するためのプローブ開発や病態との関わりの理解を進め、さらに大規模な検体サンプルを用いた検証を行い、疾患の実態を反映したバイオマーカーとして確立していくことが期待される。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)