2022 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類の採食適応背景にある味覚・解毒機能の相関進化関係の解明
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18J40006
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
橋戸 南美 中部大学, 創発学術院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2023-03-31
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Keywords | 霊長類 / 乳酸菌 / 解毒 / コロブス |
Outline of Annual Research Achievements |
霊長類の採食適応背景にある味覚・解毒機能の相関進化関係の解明を目指し、霊長類の味覚受容体の機能解析、消化管に共生する微生物が示す解毒機能の解析を行った。 前年度までに行った、テングザルの前胃に共生するテングザル固有乳酸菌(Lactobacillus nasalidis)の飼育個体由来株と野生個体由来株との生理生化学性状を比較した内容についての論文を投稿した。研究内容としては、主に本乳酸菌種(L. nasalidis)の解毒機能を調べる実験を行った。本菌種の解毒機能を調べるために、有毒性の青酸配糖体アミグダリン含有培地で本菌種の培養を行い、培養後の培地のアミグダリン含有量の分析を行った。飼育個体由来株では、培養後培地中のアミグダリン残存量が少なく、野生個体由来株、ウマ由来株、ブタ由来株に比べて、アミグダリン分解力が高いことが明らかになった。また、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS/MS)を用いた化学分析により、アミグダリン分解産物(ベンズアルデヒド、マンデル酸、マンデロニトリル)の計測系の検討を行った。これまでにベンズアルデヒドの計測系の確立ができたため、培養後培地中のベンズアルデヒド量の測定を行った。テングザル飼育個体由来株では他の菌株に比べて培養後培地中のベンズアルデヒド量が多く、本実験系からも飼育個体由来株のアミグダリン分解力が高いことが示唆された。本研究成果は、第76回日本人類学会大会・第38回日本霊長類学会大会連合大会で発表した。今後は他の分解産物についても測定を行う予定である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)