2019 Fiscal Year Annual Research Report
紛争後社会における伝統的資源管理制度の適用に関する研究
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18J40139
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮澤 尚里 名古屋大学, 国際開発研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2018-07-01 – 2022-03-31
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Keywords | 環境資源 / 平和構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究では、紛争後の国の平和構築プロセスにおける環境資源管理について分析してきた。そして、紛争後社会で環境資源を効果的に管理するために、伝統的資源管理制度が重要な役割を持っていることを観察してきた。そして、伝統的資源管理制度を効果的に適用する政策モデルを明らかにする必要性に着目し、研究を進めてきた。 平和構築プロセスにおいて、環境資源が復興の成否に影響する重要な役割を持っていることを明らかにしてきた。更に、伝統的制度に着眼した背景には、紛争後から平和構築への過渡期において、政府による統治機能は限定的である状況の中、伝統的資源管理制度を復興させる動きが高まり、地域社会の様々な変化につながっていることを観察してきた。国際社会によっても、平和構築過程における「伝統的制度の重要性」が認識され始めており、実定法の策定には時間を要する状況で、伝統的制度のみが機能している国や地域が多いことが指摘されている。 今年度は、インドネシアにおけるフィールド調査、ヒアリング調査も行うことができた。伝統的資源管理制度に関して近年適用してきた法律・政策を整理し、その有効性・課題を分析した結果を元に、インタビュー調査を実施した。また、紛争後社会における伝統的資源管理制度に関する適用事例を検証し、どのような要因が資源管理の有効性に影響しているかを調査することができた。そして、その研究成果をまとめ、国内外の学会や講演で招聘を受け、発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度、フィールド調査、ヒアリング調査も行うことができた。そして、その研究成果をまとめ、国内外の学会や講演で招聘を受け、発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
伝統的資源管理制度に関して適用されてきた政策・事業等の実態を調査し、その有効性・課題を分析する。村落組織、政府、NGO等のアクターに対してヒアリング調査とアンケート調査を実施する。更に、フィールド調査結果を分析し研究成果をまとめ、政府機関や大学関係者と意見交換し、更に研究を発展させる。
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