2022 Fiscal Year Research-status Report
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18K00005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 塑 東北大学, 文学研究科, 准教授 (70463891)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 研究公正 / 研究倫理 / 公共性 / 研究方法論 / 研究組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
公正な研究を推進することに適した組織を科学的知識の公共性の観点から検討することかがこの研究のテーマである。科学的知識が公共的に利用可能となるためには、知識の利用者である一般の人々の教育や、科学情報の流通過程も視野に入れる必要があるため、科学コミュニケーションの研究もおこなってきた。2020年度から2021年度末までは、新型コロナウイルス感染症への政策的対応において、感染症専門家や専門家集団が助言者として果たすべき役割を、研究公正の観点から研究していた。2022年度には、これまでの研究をまとめるために、東北大学大学院文学研究科において、担当している演習(生命環境倫理学特論)において、研究公正/研究倫理に関する講義を行った。そこで、扱ったテーマは、実験研究の倫理、フィールドワーク研究の倫理、アリス・ゴフマン事例、ピアレビュー、再現性問題、引用の倫理、軍事研究の倫理、学術会議問題などである。 また、引用に関する倫理の研究成果は、聖学院大学 2022年度「公正な研究活動の推進におけるコンプライアンス教育」研修会において、発表した。この研究会において、研究不正の事例として、特に引用問題を取り上げた理由は、人文社会科学系における研究不正の事案の多くは、悪質な引用や引用の失敗によることである。それに加えて、他の文献や資料から、テキストを正しく引用し、解釈することは、文献を用いる研究にとって最も重要な研究手法だからでもある。したがって、正しい引用方法を講義することは、人文社会系の教育に不可欠である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の取りまとめ作業を行うために、大学院の授業を利用したことは有益であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究公正/研究倫理の講義で取り扱うことができなかったテーマについても、今後、講義で取り扱うことができるレベルまで、調査を進める。
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Causes of Carryover |
2022年前半にはコロナ禍の影響が残り、研究を進展させるための研究活動を十分に行うことが難しかったため。
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Research Products
(1 results)